アルコア社と新たな提携関係に合意(自動車用アルミ材への提携内容の集中について)


2003年8月6日

アルコア社と新たな提携関係に合意
(自動車用アルミ材への提携内容の集中について)

 当社とアルコア社は、1990年に締結した提携内容を以下の通り見直します。
(1)  自動車用アルミ材において、今後ますます進展する自動車メーカーのグローバル展開と軽量化ニーズに、より幅広い品目で対応する為、関係を強化・拡大します。
(2)  一方で、缶材事業については、事業環境の変化に伴い、提携の枠組みを見直します。同時に、缶材用合弁事業に対するアルコア社からのアルミ地金の供給契約については一定期間後に解消します。

 当社とアルコア社は、1990年9月に自動車用アルミ板材 及び 缶材用アルミ板材について提携しました。1992年7月に自動車用アルミ板の製造・販売・研究開発を行う合弁事業「神鋼アルコア輸送機材(株)(以下KATP)」と「アルコア・コウベ・トランスポーテーション・プロダクツ(以下AKTP)」の操業を日米にて開始しました。また、缶材用アルミ板の製造・販売を行う合弁事業として、1993年10月に、「神鋼アルコアアルミ(株)(以下KAAL)」、続いて1996年1月に、「カール・オーストラリア(以下KAAL豪)」の操業を開始しました。

 このたび、当社とアルコア社は、
(1)  自動車用アルミ材について、従来から提携関係にある板材を活動の中心に据えつつ、日米で同一品質・性能の製品を幅広く供給する事を目的とした共同研究開発の提携対象に、押出品・鋳鍛造品を加える事に合意しました。両社は、既にパネル材の仕様を日米で共通化した事で、日本の自動車メーカーから高い評価をいただき、この対応力が両社のパネル材の採用拡大に結びついています。軽量化ニーズの更なる高まりから需要増加が期待できるアルミ製品全般の共同研究を追求する事によって、グローバルに展開する自動車メーカーへの対応力を一層向上させていきます。
(2)  一方、缶材用アルミ板事業は、国内市場が成熟化しつつある事に加え、国内製品市況や円高の進行など、事業を取り巻く環境が大きく変化しました。また、地域ごとに市場の特性(要求される仕様等)が異なる事に加えて、製造工程を神戸とKAALで分担しているデメリットを総合判断した結果、KAAL及びKAAL豪の両合弁事業は、それぞれの地域の親会社が引継ぎ、一貫しての運営を行う事としました。(KAALについては、少数株式をアルコア社が引続き保有します。)しかし、アルコア社技術の粋を集めた冷間圧延機の生産性、並びに、アルコア社のアジア市場における缶材用アルミ板材における販売力は他社の追随を許さないものがあります。こうしたことから、アルコア社技術については、ライセンス契約を締結し、技術面での提携関係を継続するとともに、日本を除くアジア地区の販売については、アルコア社を販売商社として起用します。アルコア社からのKAAL向けの地金供給契約については、こうした枠組みの見直しに伴い、一定期間後に解消します。

 KATPは、その主力販売製品の一つである自動車用パネル材において、需要が拡大しつつあるアルミ化ニーズに対し着実に対応を進めています。一方AKTPは北米研究開発会社として、また日系自動車メーカーに対する技術窓口として有効に機能しています。KAALは、缶材市場において、近年増加傾向にあるボトル缶材需要を取り込みつつ、安定した操業を続けており、アジア缶材市場においても、KAAL豪との共同展開により、高いシェア−を維持しています。

当社とアルコア社は、これまで両社の技術開発力を相互に補完・補強し合いながら、お客様のニーズに応えてきました。今後も自動車用アルミ材にエネルギーを集中し、両社にとってメリットのある提携関係を継続して、業界での優位性を確保していきたいと考えています。

なお、缶材アルミ板事業に係る、(1)当社によるKAALの合弁事業の引継ぎ、及び(2)アルコア社によるKAAL豪の合弁事業の引継ぎに関する概要は下記のとおりです。


以上

 

当社によるKAALの合弁事業の引継ぎ
及びアルコア社によるKAAL豪の合弁事業の引継ぎについて

一 当社によるKAALの合弁事業の引継ぎについて
 当社は、アルコア社よりKAALの株式を取得することにより、KAALの合弁事業を引き継ぎます。概要は下記のとおりです。

1.KAALの概要
(1)商号 神鋼アルコアアルミ株式会社
(2)代表者 池田 三郎
(3)所在地 東京都品川区北品川五丁目9番12号
(4)設立年月日 平成2年12月17日
(5)主な事業内容 飲料用及び食物用アルミニウム缶材料の製造販売
(6)決算期 12月31日
(7)従業員数 97人
(8)主な事業所 真岡工場(栃木県真岡市鬼怒ヶ丘16番地1)
(9)資本の額 62.5億円
(10)発行済株式総数 125,000株
(11)大株主構成および所有割合 (株)神戸製鋼所 
Alcoa Inc. 
50%
50%

2.株式の取得先
(1)商号 Alcoa Inc.(Alcoa International Holdings Co.)
(2)代表者 Alain Belda
(3)本店所在地 Pittsburgh, Pennsylvania(USA)
(4)主な事業内容 アルミ原料から製品までの総合メーカー
(5)当社との関係 自動車向けアルミ板製品での合弁事業を運営中

3.日程
 取締役会決議 平成15年8月6日

4.今後の見通し(子会社化後の連結業績見通し)
 本年5月に発表いたしました当社の平成16年3月期の単体、連結業績予想に対する影響はありません。

二 アルコア社によるKAAL豪の合弁事業の引継ぎについて
 当社のオーストラリア子会社(100%子会社)であるKobe Steel Australia Pty. Ltd.(以下KSA)は、アルコア社との提携の一環として、KAAL豪の株式50%を保有し、残り50%をアルコア社が保有しておりました。
 今般、KSAが保有するKAAL豪の株式をアルコア社に譲渡することにより、アルコア社にKAAL豪の合弁事業を引き継ぎます。

なお、本年5月に発表いたしました当社の平成16年3月期の単体、連結業績予想に対する影響はありません。


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