離島・山間部地域向け無線アクセスシステムを開発 〜神戸にてフィールド実証実験を開始〜


※2014年に販売を終了しています。

2003年 9月 24日
株式会社 神戸製鋼所
JSAT 株式会社

離島・山間部地域向け無線アクセスシステムを開発
〜神戸にてフィールド実証試験を開始〜

 株式会社神戸製鋼所とJSAT株式会社は、準ミリ波帯FWA※1と双方向衛星通信を組み合わせた新しいブロードバンドサービスシステムを開発し、神戸市西区にある神戸製鋼所の「神戸総合技術研究所」において同サービス提供を想定した試験用フィールドの運用を開始いたしました。
 このシステムは、e-Japan※2構想の中でも課題とされている、離島・山間部等のいわゆるルーラル地域におけるデジタルディバイド(情報格差)解消を狙いとして開発しているものです。光ファイバやADSL、CATVインターネットなど有線の通信サービスが地理的条件等から困難な地域においても、迅速かつ低コストで地域ブロードバンド通信インフラの構築が可能です。
 特に地理的制約条件の多い離島・山間部地域への接続は、地上回線を必要としない次世代高速VSAT※3を用います。衛星子局から地域に点在する加入者宅へのアクセスには、広帯域、干渉の心配のない専用周波数、小型・軽量などの特徴を有する準ミリ波帯FWAにより結ぶことで、地域の通信インフラを迅速に構築することが可能です。地域内で閉じた通信は、準ミリ波帯FWAのみで衛星回線経由での通信を最小限に抑え、インターネットへの接続は衛星回線を複数の加入者宅でシェアしますので、ランニングコストを抑えた効率的なネットワーク運用が可能です。
 試験フィールドでは、衛星-準ミリ波帯FWAに加え、加入者宅内で利用が広がる無線LANシステムとの相互接続試験も実施し、衛星-FWA-無線LAN3段階の無線による利用試験も行なっていきます。今後ネットワークスループットなどの基礎特性を検証後、インターネット接続、ビデオマルチキャスト、IPテレビ電話等アプリケーション実験を順次実施します。併せて、地方自治体を中心としたマーケティング活動を行なう予定です。今後要望の高い地域でユーザを交えたサービスの実証実験も行います。

■特徴
1. 高速通信
準ミリ波FWAシステムは1チャンネル当たり下り30Mbps、上り10Mbpsで最大8チャンネルの通信容量です。地域内ブロードバンド通信を強力にサポートします。インターネット接続は次世代高速VSATによる高速衛星通信を利用します。最大30Mbpsの通信容量により高速通信を実現します。
2. 場所を選ばない
衛星通信は、地域を選ばず全国どこでも利用可能です。離島・山間部など有線通信インフラの届かない条件不利地域には強力な接続手段となります。
3. 迅速な展開
バックボーン、地域系ともに無線であり、大きな投資を必要とする有線敷設工事は不要です。独自開発のFWAシステムは親局・子局共に小型軽量で設置が容易であり、迅速かつ低コストでのネットワーク構築が可能です。




※1準ミリ波帯FWA(Fixed Wireless Access system)
 地域に点在する拠点間で、高速な屋外無線を行なうために開放された18GHz、26GHz(ギガヘルツ)帯周波数を用いる固定無線システム。(18GHzは予定)

※2 e-Japan構想 
 2001年から継続する国内のIT基盤整備と利用促進を狙いとする政府構想。

※3 VSAT(Very Small Aperture Terminal)
 超小型地球局とも呼ばれる双方向衛星通信のための小型送受信設備。

・株式会社神戸製鋼所
 「鉄鋼・溶接」「アルミ・銅」「都市環境・エジニアリング」「機械」「建設機械」「情報エレクトロニクス」「不動産」「各種サービス」等の広汎な分野で技術、ノウハウを駆使して多彩な事業活動を展開しています。
 このたびの準ミリ波帯無線通信システムは、マイクロ波を応用した高炉計測に始まり20年以上蓄積してきた高周波回路設計・計測技術、信号処理・ネットワーキング技術に基づき開発しています。
URL: http://www.kobelco.co.jp/

・JSAT株式会社
 7軌道に8衛星を所有、運用するアジア太平洋地域における最大規模の衛星事業者。衛星通信のもつ広域性、同報性、大容量、耐災害性といった特長を活用した通信・放送サービスを提供しています。コーポレートスローガン「JSAT,Expanding Horizons」のもと、さらなる事業展開を目指しています。東京証券取引所第一部上場。詳細はウェブサイトをご覧下さい。
URL: http://www.jsat.net/

以上


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