大阪大学と(株)神戸製鋼所の溶接・接合技術に関する研究連携推進協定の締結について


2003年10月15日

大阪大学と(株)神戸製鋼所の溶接・接合技術に関する研究連携推進協定の締結について

 大阪大学接合科学研究所(以下;阪大・接合科学研究所)と神戸製鋼所(以下;神戸製鋼)は、このほど溶接・接合分野での研究に関する連携推進協定を締結することに合意し、基本協定書と研究連携運営覚書を本日10月15日に調印しました。連携期間は3年間で、以後更新していきます。溶接・接合分野では国内初となる包括的連携協定を結び、実用につながる学術研究の振興と研究成果の社会活用強化を図り、2〜3年以内の実用化を目指した共同研究を推進します。日本の溶接・接合研究をリードする学術研究機関である阪大・接合科学研究所と、溶接材料の国内トップメーカーである神戸製鋼(溶接カンパニー)が連携することにより、溶接・接合技術の革新を目指します。日本の製造業の復活が叫ばれる中、製造業のキーテクノロジーである溶接・接合技術のレベルアップを本研究連携により図り、ひいてはこの分野の技術において世界をリードしていく考えです。

 研究テーマとしては、新接合技術、高級鋼用アーク溶接材料の冶金研究等を考えており、主に自動車、鉄骨、橋梁、重電業界で実用可能な技術を検討します。これら国内の産業は、鋼材の高級化、溶接技術の高度化に伴ない、溶接材料メーカーへの要求水準が高く、こうした要求への対応として産学連携による技術の革新を目指したい考えです。具体的なテーマは、11月に発足する「連携協議会」で決定する予定で、神戸製鋼のニーズと阪大の研究テーマの照合により年度毎のテーマを設定します。2年目以降は、研究成果の評価を行うことで、研究連携の効率を上げていきます。また、国の共同研究プロジェクトへの共同提案や、相互人材交流の検討も行っていきます。なお、知的財産権は、研究への貢献度合いに応じて配分する予定です。

 従来、大学と企業の共同研究は、限られたテーマに関する特定の研究室と企業の一部署の間で進める場合が多かったため、大学の「研究所」と「企業」という、より大きな組織間の連携を推進することで、組織内のネットワークを活用したシーズ・ニーズのマッチングを幅広く且つ効率的に行えるメリットがあります。また、大阪大学は、来年春の独立法人化に向けて産学連携の方針を強く打ち出しており、今回の連携推進協定締結はその一環です。

以上


(補足資料)
1) 大阪大学 接合科学研究所
設立 : 1964年
人数 : 教職員(70名)、研究員・大学院生(100名) (2002年度)
予算 : 約12億円 (2002年度)
組織 : 3大研究部門 、2研究センター、事務3掛 (研究室 15 ) (2002年度)
研究分野 : 溶接・接合全般

 
2) (株)神戸製鋼所 溶接カンパニー
売上高 : 約380億円(2002年度)
生産品目 : 被覆アーク溶接棒、マグ゙・ミグ゙溶接用ソリッドワイヤ、フラックス入りワイヤ、サブマージアーク溶接用ソリッドワイヤ・フラックス、溶接ロボット・システム他
生産工場 : 茨木工場(大阪府)、西条工場(広島県)、藤沢事業所(神奈川県)
従業員数 : 約640名(2002年度)
海外拠点 : タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、米国、韓国、オランダ゙、中国
事業体制 : 研究開発から生産、販売に至る一環体制


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