2003年11月28日 株式会社神戸製鋼所 取締役社長 水越 浩士 (東証1部 証券コード5406) 三菱マテリアル株式会社 取締役社長 西川 章 (東証1部 証券コード5711) 銅管事業の統合について 株式会社神戸製鋼所(以下神戸製鋼)と三菱マテリアル株式会社(以下三菱マテリアル)は、国内および東南アジア地区における銅管事業を統合することで基本合意しました。両社は、2004年4月1日にそれぞれの銅管事業を分離し、神戸製鋼が55%、三菱マテリアルが45%を出資する統合新会社を設立します。これにより、連結ベースの売上高で約340億円、国内では約35%のトップシェアを持ち、また東南アジアにおいても約30%のシェアを有する、アジア地域でトップクラスの銅管製造・販売会社が誕生します。 銅製品において、銅管は半導体リードフレームなどの電子部品用素材として使用される条、金具・バルブ類や通信・IT機器部品などとして使用される棒と並ぶ大きな需要分野の1つです。その年間市場規模は、世界で約1,500千トン、日本では約130千トンで国内向け伸銅品出荷量の約15%程度を占めています。熱伝導性が高く曲げ加工性が良いなどの素材特性を活かし、国内で年間約90千トンが空調・冷凍・冷蔵機器などの熱交換器用に広く使用されています。中でも、エアコン用には、内面に溝を付けることで表面積を大きくし、熱交換性能を高めた銅管(内面溝付管)が多く使用されています。エアコンの世界需要は今後も年率4%の成長が見込まれており、これに伴ない世界市場において銅管需要も増加していくものと考えられています。 一方で、国内銅管市場は2001年頃から本格化した日系エアコンメーカーのアジアへの生産拠点の移管に伴ない、エアコン完成品と熱交換器の輸入(所謂「エアコン持帰り[アウトイン]」)が増加したことで、需要が減少(銅管国内向け出荷量/1991年ピーク時204千トン→2000年157千トン→2002年134千トン)しています。2002年度の設備稼働率は70%程度という設備過剰状態にあります。 逆に、東南アジア市場は、1980年代後半より欧米向けエアコン輸出基地として大きく成長を遂げ(エアコン生産台数1998年4,400千台→2002年5,600千台)、今後も年率5%程度の伸びが期待され、域内の銅管市場も中期的に安定成長が見込まれます。 神戸製鋼はエアコンに代表される空調用銅管に注力してきました。薄肉化や最適な内外面形状の追求などの技術開発力や、需要家ニーズへの迅速な対応により、国内全エアコンメーカーに納入実績を有し、国内需要におけるシェアは20%強を占めています。また、1987年にはマレーシアに コウベ・カッパー・マレーシア社(Kobe Copper
(Malaysia)Sdn.Bhd:以下KCMA)を設立、日本における納入実績を武器に、国内と同様に東南アジアに進出した全日系エアコンメーカーに納入しています。 一方、三菱マテリアルは空調用銅管に加え、建築・給湯用銅管にも力を入れている他、製錬からの一貫メーカーとして合金技術を活かした非空調分野での用途開発にも取組み、国内需要におけるシェアは約13%です。また、1997年に東南アジアエアコン市場の中心となるタイに、最新鋭の設備を有するMMCカッパーチューブタイランド社(MMC Copper Tube(Thailand)Co.,Ltd.:以下MCTT)を設立しました。2002年までに大型投資を完了し、順調な操業を続けています。 新会社は神戸製鋼から秦野工場及び秦野パイプセンター株式会社(神奈川県)とKCMAを、三菱マテリアルからは北本製作所(埼玉県)とMCTTを引き継ぎます。国内事業所を新会社本体とし、各々の海外事業所はそれぞれ新会社の100%子会社とします。尚、神戸製鋼の米国における銅管製造・販売拠点コウベウィーランド・カッパー・プロダクツ社(KobeWielandCopper Products, LLC)は今回の事業統合には含まれません。 両社の銅管事業は、空調用・非空調用といった需要分野、あるいは国内外の生産拠点のロケーションで、それぞれの強みを相互に補完し合える関係にあります。今回の事業統合は、国内市場の縮小と東南アジア市場、更に将来的には中国市場の拡大に対応するべく、個別企業の枠を超えて、設備の統廃合・新設の検討を含んだ、アジア市場における最適な生産・販売体制の確立を狙いとしています。 国内においては、国内空調分野の需要減少に適応した生産体制の最適化と、重複する間接部門の合理化を図り、非空調分野での需要開拓を加速します。また、東南アジアにおいても最適生産体制を構築し、日系エアコンメーカーに対する納入実績と、最新鋭の生産設備とを組み合わせることにより、今後の市場拡大に備えます。 このたびの事業統合により誕生する新会社は、神戸製鋼の金属加工技術と三菱マテリアルグループの合金素材技術を併せ持つことで、生産・売上規模、品質・コスト競争力、技術開発力、製造技術などあらゆる面において、アジア市場における銅管製造・販売のリーディングカンパニーを目指し、顧客のニーズに応えていきます。 【新会社概要】
社名 |
未定 |
本社所在地 |
未定 |
資本金 |
未定(資本金+資本準備金:100億円程度) |
出資比率 |
神戸製鋼 55%、三菱マテリアル45% |
代表者 |
未定 |
従業員数 |
国内370名程度、海外グループ 680名程度 |
生産拠点 |
神奈川県 秦野市、埼玉県 北本市 |
生産品目 |
空調用銅管(内面溝付管、平滑管、異形伝熱管) |
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建築・給湯用銅管(平滑管、樹脂被覆管) |
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その他一般銅管 |
生産規模 |
2007年度国内5,000トン/月程度、海外グループ3,000トン/月程度を目指す。 |
【グループ会社(海外)概要】
社名 |
コウベ・カッパー・マレーシア社
(KCMA) |
MMCカッパーチューブタイランド社
(MCTT) |
所在地 |
マレーシア シャーラム市 |
タイ ラヨン市 |
設立 |
1987年10月 |
1996年11月 |
資本金 |
約11億円(神戸製鋼70%) |
約34億円(三菱マテリアル100%) |
社長 |
桐山 照美 |
吉木 尚一 |
従業員数 |
約450名 |
約230名 |
生産規模(本年度見込) |
約800トン/月 |
約1,700トン/月 |
・統合新会社のグループ会社への出資形態 以 上 資料 1.両親会社の概要
(1)商号
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株式会社神戸製鋼所
(平成15年9月30日時点)
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三菱マテリアル株式会社
(平成15年9月30日時点)
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(2)事業内容
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鉄鋼・溶接、アルミ・銅、都市環境・エンジニアリング、機械、不動産等の事業
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セメント、アルミ、銅、金属加工、先端製品、エネルギー・システム等の事業
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(3)設立年月日
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明治44年6月28日
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昭和25年4月1日
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(4)本店所在地
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兵庫県神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号
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東京都千代田区大手町一丁目5番1号
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(5)代表者
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取締役社長 水越
浩士
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取締役社長 西川 章
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(6)資本金
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218,163百万円
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99,396百万円
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(7)発行済株式総数
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2,974,549,861株
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1,134,053,663株
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(8)株主資本
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329,881百万円
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209,226百万円
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(9)総資産
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1,399,336百万円
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997,791百万円
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(10)決算期
|
3月31日
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3月31日
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(11)従業員数
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8,781名
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5,282名
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(12)主要取引先
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鋼材、溶接棒、アルミ・銅圧延品、各種プラント、機械類等を広く国内外の需要家に販売
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セメント、アルミ、銅、金属加工品、先端製品、エネルギー・システム等を広く国内外の需要家に販売
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(13)大株主及び議決権比率
(平成15年9月30日現在)
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日本トラスティサービス信託銀行叶M託口
:6.52%
日本生命保険相互会社
:5.24%
日本マスタートラスト信託銀行叶M託口
:4.91%
鰍ンずほコーポレート銀行
:2.97%
UFJ信託銀行叶M託勘定A口
:2.21%
|
日本トラスティサービス信託銀行叶M託口
:5.22%
鞄結梹O菱銀行
:3.56%
明治生命保険相互会社
:2.56%
日本マスタートラスト信託銀行叶M託口
:2.01%
三菱信託銀行梶@
:1.37%
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(14)主要取引銀行
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日本政策投資銀行
鰍ンずほコーポレート銀行
鰍tFJ銀行
且O井住友銀行
三菱信託銀行
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鞄結梹O菱銀行
三菱信託銀行
鰍ンずほコーポレート銀行
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2.最近3決算期間の業績
神戸製鋼:
決算期
|
平成13年3月期
|
平成14年3月期
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平成15年3月期
|
売上高(百万円)
|
816,877
|
793,952
|
807,231
|
営業利益(百万円)
|
54,277
|
30,410
|
52,258
|
経常利益(百万円)
|
14,648
|
△4,010
|
20,263
|
当期純利益(百万円)
|
△60,588
|
△20,991
|
△4,859
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1株当り当期純利益(円)
|
△21.36
|
△7.39
|
△1.67
|
1株当り配当金(円)
|
−
|
−
|
−
|
1株当り株主資本(円)
|
108.25
|
108.93
|
105.35
|
三菱マテリアル:
決算期
|
平成13年3月期
|
平成14年3月期
|
平成15年3月期
|
売上高(百万円)
|
560,711
|
522,238
|
510,104
|
営業利益(百万円)
|
25,568
|
11,135
|
13,547
|
経常利益(百万円)
|
18,849
|
5,419
|
8,032
|
当期純利益(百万円)
|
7,590
|
△40,894
|
△26,699
|
1株当り当期純利益(円)
|
6.79
|
△36.60
|
△23.67
|
1株当り配当金(円)
|
3.00
|
−
|
−
|
1株当り株主資本(円)
|
215.90
|
203.06
|
179.37
|
3.業績に与える影響 本件事業統合は平成16年4月1日に行う予定であり、本件による平成16年3月期決算見通しへの影響はございません。 |