キヤノン株式会社殿デジタルカメラへの当社アルミ板材の採用


2003年12月3日

キヤノン株式会社殿デジタルカメラへの当社アルミ板材の採用
〜 高強度・高成形性に、光輝性を付加 〜

 当社アルミ板材が、このほどキヤノン株式会社(以下 キヤノン)殿のデジタルカメラ「IXY DIGITALシリーズ」の新製品『IXY DIGITAL L』のボディーに採用されました。自動車ボディー材で培った高強度・高成形性を有する合金材料に、新たに家電・精密機器外装材用として表面処理時の光輝性を付加しました。当社は、軽くて加工性が良く、耐食性・リサイクル性にも優れたアルミ材に、新しい特性を加えたことで、この需要分野への採用を実現しました。

 このほど採用されたアルミ板材は、マグネシウムを添加したアルミ合金(5000系、製品名称:5X30)材です。
 基本となった合金材は、自動車ボディー材としての合金技術・製造技術の開発により、高強度・高成形性を有しています。プレス加工による深絞り・張り出し成形性に優れ、デザイン性を重視した複雑な形状に加工することが出来ます。また、強度も高いため成形後の変形が生じにくく、薄肉軽量化が可能です。
 更にこのたび、合金成分の調整や不純物の抑制、冷間圧延工程までの素材製造において金属結晶組織を均一化する事により、その後の表面処理における素材に起因する不具合の発生をなくしました。これにより、加工先でのアルマイト表面処理注1)時に、一般的なアルミ板材の色合いである白濁色から、光の反射率の高い白金のような色合いを出すことが可能となりました。このたびキヤノン殿のデジタルカメラのボディーとして、金属素材ならではの高い質感と光輝性のある外観を実現しています。

 近年デジタルカメラは、イメージ(画像)センサーの画素数に代表される性能競争が一層激しさを増す中で、小型化・軽量化・デザイン性等、より個性が求められるようになっています。こうした状況から、キヤノン殿はIXY DIGITALシリーズのコンセプトである「持つ喜びを感じられるカメラ」から一歩進め「いつも身に付けたくなるカメラ」をコンセプトに、洗練されたデザインと高級感を融合させたデジタルカメラを企画されました。軽量かつ金属の素材感にこだわった高品位仕上げを実現出来る素材として、キヤノン殿はアルミ合金材に着目されました。当社の高強度・高成形性・光輝性を合わせ持つ、この新しいアルミ合金材が、キヤノン殿の要求特性に対して期待以上の結果を出し、ご評価頂いたことから、このたびの採用に結び付きました。

 年度内に月間30t規模の量産体制を整え、今年度の売上高として数億円程度を見込んでいます。当社は、家電・精密機器外装材用などの分野で、今後も光輝性に対する新しい要求特性に継続して応えていくことで、アルミ板材の数量の拡大を目指します。

<「IXY DIGITALシリーズ」の新製品『IXY DIGITAL L』の概要>
 サイズ:90.3×47.0×18.5mm(突起部を除く)、質量:約100g(本体のみ)
 カラー:プラチナシルバー、ピアノブラック、パールホワイト、シルキーブロンズの4色
*注1)アルマイト表面処理: アルミ表面に均一な酸化皮膜を人工的に生成させる表面処理。硬くて耐摩耗性、耐食性に優れる。


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