放熱性薄鋼板『コーベホーネツ』の『岩谷直治記念賞』受賞について


2003年12月15日

放熱性薄鋼板『コーベホーネツ』の『岩谷直治記念賞』受賞について

 当社の"特長ある鉄鋼製品"『コーベホーネツ』が、このほど『平成15年度 第30回 岩谷直治記念賞』を受賞致しました。贈呈式は2004年3月8日(月)11:30より東京都千代田区のキャピトル東急ホテルにて執り行われます。本製品は、世界で初めて、鋼板そのものに放熱性能をもたせた画期的なものであり、2002年1月に商品化して以降、電子機器メーカー向けを中心に数多くの納入実績を有しています。

 今回の受賞は、『財団法人 岩谷直治記念財団 殿』より、「エネルギーの効果的な利用に資する実用的な技術の開発成果」として選考頂いたものです。また、従来の、「エネルギーの効果的な利用に"間接的に"貢献する」商品群と異なり、『幅広い放熱ニーズに"直接応える"独創的な技術を用いた新素材であること』も評価のポイントとなりました。

 従来から当社は、省エネルギーを目的とした『製造プロセス開発』や、自動車や船舶の軽量化によるエネルギーの効果的利用を目的とする『商品開発』(高張力鋼板=ハイテンや特殊鋼などの高級鋼材)に取り組んできました。『コーベホーネツ』は、電子機器などの高機能化に伴う放熱ニーズの高まりに対応すべく、当社が独自に開発した特殊化成処理を薄鋼板に施したものです。放熱対策として、それまで稀有であった「熱放射」という手法を初めて用いることで高い放熱性を実現させました。本製品を筐体に用いることで、機器内部の温度が4〜10℃低下することが可能となります(当社測定値)。本製品は素材を変えるだけで熱対策が可能となる極めて単純なものであり、加工についても従来の工法で対応頂けます。

 『コーベホーネツ』は現在、放熱効果を最大限に引き出せるように、「熱解析を用いた設計段階からの提案営業」に注力することで、パソコンやAV機器以外への適用(用途開拓)を進めています。また、当社のコア事業の一つであるアルミ分野においても、本特殊化成処理技術を適用させた『コーベホーネツ・アルミ』を開発し、受注活動を展開しています。鉄鋼・アルミの両素材を提案していくことで、幅広い放熱ニーズに応えていけるものと自負しております。

 ※本製品は商標登録済みです

以 上

≪ご参考≫

【岩谷直治記念賞の概要】
 本賞は、文部科学省所管の権威ある賞の一つであり、設立者(岩谷産業株式会社の創業者でもある「岩谷直治 氏」)の業績を記念し、資源およびエネルギー分野における学術的な研究、利用諸技術の開発などの優れた成果を広く顕彰し斯界の発展と国民生活の向上に寄与することを目的として定められた。昭和49年(1974年)に第1回の表彰を行い、今回で30回目を迎える。

 
選考委員長 濱川圭弘 立命館大学教授・大阪大学名誉教授
選考委員 秋元肇 地球フロンティア研究システム領域長
明畠高司 東京工業大学名誉教授
池上詢 福井工業大学教授・京都大学名誉教授
斎藤泰和 東京理科大学教授・東京大学名誉教授
藤森啓安 (財)電気磁気材料研究所理事・東北大学名誉教授
古崎新太郎 祟城大学教授・東京大学名誉教授
三浦謹一郎 (株)プロテイオス研究所取締役社長・東京大学名誉教授
森謙治 東京大学名誉教授・理化学研究所研究顧問
岩井繁明 岩谷直治記念財団常務理事・事務局長

【コーベホーネツの特長】
<製品の特長>
当社が得意とする「OA・電子機器向けの特殊化成処理鋼板」の一つ。
主に、DVDなど電子機器の駆動部を収納する筺体(きょうたい=ケース)に使用。
筺体には熱が篭もり易く、機能(処理能力)の向上を妨げる要因となっていた。
従来は、その対策として、ファンを取り付ける等して温度上昇を抑えていた。
本製品は、世界で初めて素材そのものに高い放熱性を持たせたもの。(当社独自開発の特殊化成処理皮膜にノウハウが詰まっている)
筺体の温度上昇を、従来材(一般的な電気亜鉛めっき鋼板)と比べ4〜10℃低下させることができる(当社測定値)。
放熱効果に加え、ファン等を不要にすることで、コンパクト化、静音化にも寄与する。
クロメート処理を排除した、環境配慮型製品である。
放熱効果が最も大きいとされる黒色以外にも、銀系、白色系などのカラーバリエーションを有する。

<開発から現在に至る経緯>
2001年春より商品開発をスタート
2002年1月に商品化し、対外発表
2002年3月に初受注(商品開発の開始から1年あまりでの短期受注は稀有なケース)、 その後も着実に受注件数を伸ばしています。

<用途例>
デスクトップPC内蔵型のDVDマルチドライブのケース(カバー)
外付けHDDの外装ケース  ・・・等々


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