米国における棒鋼・線材事業強化策の実施について
〜神鋼米国鉄鋼子会社他3社が合併〜
USS/KOBE Steel Company(以下USS/KOBE)の棒鋼・線材部門(上工程含む)と、米国投資
グループのBlackstoneとVeritasの両社が所有するRepublic Engineered Steels社(以下
RESI)及びBar Technologies社(以下Bar Tech)の3社は、このほど合併の最終合意に至
り、8月13日(現地時間)付けで新会社を設立しました。これにより、米国の高級棒鋼・
線材市場でトップシェアを有する新会社が誕生することになります。新会社名は『Republic
Technologies International,LLC』とし、出資比率はBlackstone、Veritas 64%程度、USX社
と当社がそれぞれ15%程度、新規株主(融資団等)6%程度となります。
新会社の概要は以下の通りです。なお、粗鋼生産能力及び主な設備は、合併に伴う設備統
廃合計画を折り込み後の概要です。
社 名:Republic Technologies International,LLC(Limited Liability Company)
代 表 者:トーマス N. ティレル(Thomas N. Tyrrell)
資 本 金:149.5百万ドル
生産能力:約350万ショートトン(粗鋼ベース)
従業員数:約6,000名(2003年末には3,800名程度まで削減する計画)
主な設備:旧USS/KOBE(ロレイン製鉄所)
高炉、転炉、ブルーム連鋳機、棒鋼線材圧延ミル(2ライン)
旧RESI(キャントン工場、シカゴ工場)
電炉、ブルーム連鋳機、新棒鋼ミル(計画)、
旧Bar Tech(ジョーンズタウン工場、ラッカワナ工場)
電炉、ビレット連鋳機、棒鋼ミル
製品加工(引抜き他)7工場
USS/KOBEは、1989年7月にUSX社のロレイン製鉄所に当社が折半出資することで発足し
ました。その後、設備の近代化と製品の高付加価値化を目的とした一連の投資と、当社から
の技術支援等により、技術・品質面で各需要家から高い評価を得てきました。その結果、設
立以降95年まで7期連続の黒字を達成してきました。しかし以後、電炉ミニミルの参入の
影響等から棒鋼・線材市況が総じて軟調に推移したこと、また98年央からのパイプ需要の
極端な冷え込みも加わり、赤字計上を余儀なくされてきました。このような状況下で、RESI
及びBar Techとの合併構想が浮上し、本年4月12日に基本合意書(L/I)に調印し検討
を行ってきました。
この合併により、新会社は北米における高級棒鋼・線材分野でトップシェアを確立すると
ともに、設備統廃合、近代化投資、要員削減等を中心とした抜本的な収益改善を図り、
2003年には現状比で年間2.65億ドル(約300億円)のコスト削減を見込む等、黒字体質
への定着が可能となります。
また、当社は新会社と技術援助契約を締結し、従来どおり技術面での支援に注力する考えです。
なお、USS/KOBEのパイプ部門については今回の合併対象外であり、当社、USX社がそれぞ
れ50%のシェアを有する合弁会社として事業継続致します。(新会社名:Lorain Tubular
Co.,LLC)
以 上
(ご参考)
<Blackstoneの概要>
(1)社 名:Blackstone L. P.(ブラックストーン)
(2)会 長:Peter G. Peterson(ピーター G ピーターソン)
(3)所 在 地:ニューヨーク市
(4)資 本 金:非公表
(5)売 上 高:非公表
(6)設立時期:1985年
(7)従業員数:214名(1997年)
(8)事業内容:投資、不動産投資
<Veritasの概要>
(1)社 名:Veritas Capital Partners L. P.(ベリタス キャピタル パートナーズ)
(2)会 長:Robert B. Mckeon(ロバート B マッキオン)
(3)所 在 地:ニューヨーク市
(4)資 本 金:非公表
(5)売 上 高:非公表
(6)設立時期:1992年
(7)事業内容:投資
<旧USS/KOBEの概要>
(1)社 名:USS/KOBE Steel Company(USS/KOBEスチール カンパニー)
(2)社 長:George F. Babcoke(ジョージ F. バブコーク)
(3)所 在 地:オハイオ州ロレイン市(本社、工場)
(4)出 資:当社50%、USX社50%のパートナーシップ
(5)設立時期:1989年7月1日
(6)事業事容:棒鋼、線材、パイプ及び半製品の製造販売
<旧RESIの概要>
(1)社 名:Republic Engineered Steel Inc.(リパブリック エンジニアード スチール)
(2)社 長:Thomas N. Tyrrell(98年9月以降)
(3)所 在 地:オハイオ州、フェアローン市(Fairlawn、OHIO)
(4)設立時期:1989年 (LTVから棒鋼部門が独立して設立)
(5)事業内容:棒鋼・線材の製造販売
(6)工 場:棒鋼工場、オハイオ州、マシロン市(Massillon、OHIO)
製鋼工場、オハイオ州、カントン市(Canton、Ohio)
<旧Bar Techの概要>
(1)社 名:Bar Technologies Inc. (バー テクノロジース)
(2)社 長:Thomas N. Tyrrell
(3)所 在 地:オハイオ州、フェアローン市(Fairlawn、OHIO)
(4)設立時期:1994年9月(ベスレヘム スチールの棒鋼部門を買収して設立)
(5)事業内容:棒鋼・線材の製造販売
(6)工 場:棒鋼工場:ニューヨーク州、ラッカワナ市(Lackawanna, New York)
製鋼工場:ペンシルバニア州、ジョーンズタウン市(Johnstown, Pennsylvania)
以 上