ロールス・ロイス社とのチタン合金納入契約の締結について


                              1999年12月10日
                              株式会社神戸製鋼所

      ロールス・ロイス社とのチタン合金納入契約の締結について

 当社はこのほど、ロールス・ロイス社向けに、航空機用ジェットエンジンに内蔵される
コンプレッサーディスク用のチタン合金の納入契約を締結しました。製品の納入開始は
2001年初頭を予定しており、3年間の長期契約となります。

 ロールス・ロイス社では現在、エアバス・インダストリー社が2002年に就航予定の中
型旅客機「A340-500/600」に搭載される「トレント500」(新型航空機用ジェットエンジ
ン)の開発を進めており、丸紅株式会社がリスク・レベニュー・シェアリング・パートナ
ー(RSP)といわれる開発費の負担割合に応じて利益を受け取ることができるという事業
形態で参画しています。この開発に伴い、ロールス・ロイス社ではジェットエンジン部品
用素材のサプライヤー選定を進めていましたが、1.当社の航空機用チタン鍛造品分野にお
ける高い技術力、2.国内外の航空機用エンジンメーカーへのこれまでの供給実績、3.イン
ゴットから鍛造までを行う一貫メーカーであること、が評価されたため当社製チタン合金
の採用が決定したものです。

 欧米の航空機エンジンメーカー向けの航空機用ジェットエンジンの素材は、高い信頼性
と品質が求められる一方、過去の納入実績が重視されるため、日本の素材メーカーと直接
取引を行うケースはありませんでした。今回の契約締結により日本のチタンメーカーとし
ては初めてロールス・ロイス社との直接取引が実現したことなります。

 今回採用が決まったチタン合金(チタン-6%アルミニウム-4%バナジウム)は、強度・靭
性・加工性のバランスに優れており、航空機用エンジンのディスク、ブレード、機体の構
造部材等に幅広く使用されている代表的なチタン合金です。なお、コンプレッサーディス
クとはジェットエンジン内部の圧縮機部分に使用され、外気を吸入して圧縮するための回
転翼(ブレード)を取り付ける円盤のことで、この部品の一部に使用されています。

 当社は、1949年にわが国で初めて金属チタンの研究開発に着手し、1955年に工業生産
を開始以来、常に業界のパイオニアとして金属チタンの普及を図ってきており、本年は当
社にとって金属チタンの研究開発に着手して50周年を迎えました。今回、世界の三大航
空機エンジンメーカーの一角との直接取引が実現したことで、今後さらに航空機用チタン
製品の販売活動を強化していく考えです。
                                    以 上




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