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2001年1月9日
株式会社神戸製鋼所
U.S.Steel Group
神戸製鋼とUSスチールとの
自動車用鋼板技術に関する全面提携について
(株)神戸製鋼所(社長:水越浩士、以下"神戸製鋼")とU.S.Steel Group(社長:P.J.Wilhelm、以下"USスチール")の両社は、このほど自動車用鋼板技術に関する共同研究開発契約に調印しました。
今回の提携の狙いは、高張力(ハイテン)鋼板や自動車向け先進加工技術などを同で開発し、両社が高水準かつ同品質の鋼板をグローバルに供給できる体制を確立することで、自動車メーカーのニーズに対応することにあります。つまり、自動車メーカーの国際的な統合・再編に伴う世界調達の動きに対応し、両社のプレゼンスを高めていきたいと考えています。
両社は、折半出資による溶融亜鉛めっき鋼板の合弁事業として、米国に「PRO-TEC
Coating Company(以下:プロテック社)」を設立した1990年から、米国の自動車メーカーを対象に共同で事業展開を行ってきました。また1997年からは、神戸製鋼からプロテック社及びUSスチールに対し、60
kgf/mm2のハイテンを中心に先行して技術移転するなど、プロテック社中心に特定品種で連携してきました。その結果プロテック社は、米国で唯一60
kgf/mm2の溶融亜鉛めっき鋼板を製造できるメーカーとして大きな実績を挙げています。
この間国内において神戸製鋼は、国内自動車メーカー各社によるハイテン品質コンペで高い評価を得、「ハイテンの神戸製鋼」の地位を確実のものとしてきました。またUSスチールは、北米で唯一の自動車用鋼板の実験・研究センターをミシガン州デトロイト市郊外に保有し、BIG3を中心とする各需要家から高い評価を得てきました。神戸製鋼は同センターに、主に日系自動車メーカーに対する技術サービスを目的とした薄板技術者を駐在させるなど、USスチールとの連携強化を進めてきました。
今回はこれらの協力関係を基礎として、特定品種にとどまらず製鋼・熱延・冷延などの前工程や、鋼板の高付加価値化につながる下工程を含む技術提携に至ったものです。具体的には、自動車用鋼板の共同研究開発に取り組むとともに、80kgf/mm2以上のハイテン技術や、ハイドロフォーム技術、テーラードブランク技術、加工シミュレーション技術など、技術の相互移転を推進していくことになります。今回の技術提携により、両社は日本、米国はもとより欧州も含めた自動車メーカーへのプレゼンスを高めていく考えです。
なお、共同技術開発契約に基づく当面の具体的なテーマは以下の通りです。
1.共同研究開発
次世代ハイテン等の新商品開発、製造プロセス技術、加工技術・加工性評価技術などについて共同研究を行います。また、研究開発時間の短縮、投入経営資源の効率化を図ります。なお、各需要家ニーズに対応する技術テーマについては、すでに神戸製鋼とUSスチールの間で共同研究開発に着手済みのものもあります。
2.技術の相互移転
60 kgf/mm2のハイテンについては先行して技術移転を進めてきましたが、今後はより広範囲に技術の相互移転を実施していきます。例えば、80
kgf/mm2 以上のハイテンを中心とした品質・工程設計技術、製造プロセス技術、*1ハイドロフォーム技術、*2テーラードブランク技術、*3加工シミュレーション技術など、両社がそれぞれに有する高度な技術を共有することが可能となり、自動車メーカーへの高いプレゼンスを発揮することができます。
[語句説明]
*1ハイドロフォーム技術:主に車輌の補強部材を製造するため、パイプに加工した鋼材を液圧により一体成形する方法。金型の中でパイプに内圧と軸力を加え、金型の内面に押し付けて所定の形状と強度を得る。これにより、加工工程削減(コスト低減)、強度・剛性の向上、車輌軽量化が可能になる。
*2テーラードブランク技術:板厚や強度の異なる鋼材を溶接し、一体プレス成形することで、加工工程削減(コスト低減)が可能になる。
*3加工シミュレーション技術:コンピュータによるデータ解析に基づき、プレス成形中の素材の変形状態を予測する技術。これにより、最適な材料選定やプレス条件の机上検討が可能になる。
3.技術交流
両社の技術交流も、従来から目的に応じて実施して来ましたが、今回合意に基づき製鋼・熱延・冷延・表面処理などの各分野に関する製鉄所間交流・研究所間交流を定期的に開催し、技術情報の更新と共有化を一層促進します。
なお、両社の自動車用薄板分野の拡充・高付加価値化を目的として、鋼板加工事業などの新規事業についても、今後具体的な検討を行っていく考えです。
(ご参考)
<USスチール(USX)の概要>
(I)所在地:USX Corporation
600 Grant Street, Pittsburgh, PA
(II)USX
1.会社概要:エネルギー(マラソン オイル)と鉄鋼(USスチール)を事業の柱と
する持株会社。前身はUSスチールだが、1982年に事業多角化を
目的としてマラソン オイルを買収。売上規模は、USスチール 1
に対して、マラソン オイル 4とエネルギー部門の比率が大きい。
2.会 長:T. J. Usher(USスチール出身)
(III)USスチール
1.会社概要:北米最大の鉄鋼ミルだが、80年代以降リストラにより粗鋼能力を
3分の2まで縮小、薄板部門に特化しつつある。
2.社 長:P. J. Wilhelm(USX副会長を兼務)
3.主要工場:
・Gary製鉄所:高炉一貫・熱延・冷延・溶融めっき・ブリキ他(インディアナ州)
・Fairfield製鉄所:高炉一貫・熱延・冷延・溶融めっき・パイプ他(アラバマ州)
・Mon Valley製鉄所:高炉一貫・熱延・冷延・溶融めっき他(ペンシルベニア州)
・Fairless製鉄所:冷延・溶融めっき他(ペンシルベニア州)
・Clairtonコークス工場(ペンシルベニア州)
・Minntac鉱石・ペレット工場(ミネソタ州)
<プロテック社の概要>
1.所 在 地:オハイオ州リープシック
2.設 立:1990年3月(操業開始:1993年1月)
3.事業内容:溶融亜鉛めっき鋼板の製造
4.年産能力:100万トン(第1ライン:60万トン、第2ライン:40万トン)
5.事業形態:ジェネラル パートナーシップ(神戸製鋼:50%、USスチール:50%)
6.経 営 陣:社長 W. P. Worstell(USスチールより出向)
副社長 斎藤総一郎(神戸製鋼より出向)
7.従 業 員:約220名(内、神戸製鋼からの出向者4名)
以 上
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