1995年12月19日 (株)神戸製鋼所 アルミナム カンパニー オブ アメリカ 米国アルコア社との豪州に於ける合弁事業展開について 当社及びアルミナム カンパニー オブ アメリカ(以下アルコア社)は、 アジア地域のアルミ缶材需要の増大に対応するため、豪州国内にアルミ板製品 の製造・販売会社(KAAL AUSTRALIA PTY,LTD.)を折半出資で設立すること、 及びこの新会社が豪州コマルコ社が保有するイェノーラ工場(アルミ圧延工場、 冷間圧延能力 100千トン/年)を買収することを決定し、このほど合弁・売買 契約の調印を致しました。新会社の資本金は13億5千万円(18百万オース トラリア・ドル)で、当社とアルコア社が50%づつ出資します。 なお、新会社は、本年中にコマルコ社より資産の引き渡しを受ける予定です。 近年、中国を中心としたアジア地域に於ける缶材需要は大きく伸長すると予 想されています。既にアジアの缶材需要は、95年度で約30万紬規模に達すると 見込まれ、さらに今後も高成長が期待されています。この様な缶材需要に対し、 当社及びアルコア社の合弁会社である神鋼アルコアアルミ株(以下KAAL社) が、缶ボディー材を輸出し対応してきました。その結果、アジアのアルミ缶材 市場においてKAAL社は、現在トップシェアを有しています。 更に、日本国内においても、ビールの缶化率は91年度の35.6%から95年度に は50%まで伸びると予想されており、その缶ビールの99%がアルミ缶となって います。ビール以外の飲料缶についても、リサイクルしやすいという観点から アルミ缶化率が着実に伸びている中で、当社及びKAAL社はアルミ圧延のト ップメーカーとして国内アルミ缶材の35%以上のシェアを有しています。 この様な日本・アジア地区のアルミ缶材需要に対して、現在の真岡製造所及 びKAAL社の生産能力では将来的に対応できない状況にありました。 一方、コマルコ社は、ボーキサイトの採掘からアルミ精錬・アルミ圧延まで を行う総合アルミメーカーであり、イェノーラ工場は溶解鋳造から熱間・冷間 圧延を行うアルミ圧延一貫工場である上、主要設備が着実に近代化更新されて いるなど買収条件としては好条件にありました。 かかる状況から当社とアルコア社は、今後大幅に拡大すると予想されるアジ ア地域の缶材需要に対応するため、イェノーラ工場の買収を決定したものです。 また引き続き当社とアルコア社は、アルコア・オーストラリア社/ポイント・ ヘンリー工場の圧延部門の新会社への統合を協議することに合意しました。 これにより、日本国内・アジア・豪州を中心とした缶材市場に対して、真岡製 造所、KAAL社、及び新会社という3拠点の供給体制を確立し、当社及びア ルコア社の技術力を背景に高品質な製品を安定供給できることになります。 <新会社の概要> 1.社 名:KAAL AUSTRALIA PTY,LTD. 2.所在地 :ニュー・サウス・ウェールズ州 イェノーラ (シドニー郊外、シドニー西方約25kmの工業団地内) 3.資本金 :18百万 オーストラリア$(約13億5千万円) 4.出資比率:当社50%、アルコア社50% 5.代表者 :会長 菊地 晋((兼)株神戸製鋼所取締役) 社長 クリス J リンチ (現アルコアオーストラリア圧延製品部長) 6.従業員数:約500名 7.主要設備能力:冷間圧延能力・・・100千紬/年 8.生産品目:アルミ缶材、アルミ箔、及び一般アルミ板材 <アルコア社の概要> 1.社 名:ALUMINUM COMPANY OF AMERICA 2.所在地 :米国ペンシルベニア州ピッツバーグ市 3.代表者 :会長 ポール H オニール 4.設立年月:1888年 5.従業員数:約65,000名(1994年12月末) 6.売上高 :約99億US$(1994年) 7.事業内容:ボーキサイト採掘,アルミナ精錬,アルミ地金精錬, アルミ圧延等をてがけるアルミ総合メーカー <KAAL社の概要> 1.1社 名:神鋼アルコアアルミ株式会社 2.所在地 :本社 東京都中央区八重洲1─5─20 工場 栃木県真岡市鬼怒ケ丘16─1番地(真岡製造所南側の隣接地) 3.資本金 :12,500百万円(資本準備金を含む) 4.出資比率:当社50%、アルコア社50% 5.社 長:中江 宏 6.設立年月:1991年1月 7.従業員数:68名(1995年9月末) 8.事業内容:アルミ缶材の製造販売 以 上