2000年3月23日
Midrex Corporation
株式会社神戸製鋼所

1999年の還元鉄需要について(要約)

~全世界の生産量は前年比で4.4%増~

 *1Midrex社の調査によると、電気炉や高炉などの製鋼原料として使用される還元鉄の生産量は、全世界で3,859万トンと前年に比べ、4.4%増加しました。これで年間の生産量は1983年から17年連続で増加したことになります。Midrex社では、電気炉による製鋼比率の拡大、電炉製品の高付加価値化、そして高級スクラップの恒常的な不足などにより、2005年に6,000万トン、2010年には7,500万トンまで需要が拡大すると予測しています。

 

 国別の生産量では、前年同様メキシコ(620万トン)が第1位となり、第2位はインド(520万トン)、以下ベネズエラ(510万トン)、イラン(410万トン)の順となりました。

 還元鉄の製法では、*2Midrex法が67%の高率を占め、1987年以降継続して60%以上のシェアをキープしていることになります。HYLⅢ法が21%、その他の製造法が12%となっています。なお、還元剤としては天然ガスを使用するプロセスが92%を占め、残りが石炭となっています。(次ページグラフご参照下さい)

 出荷量は過去最高の960万トンと1,000万トンに迫る勢いとなっており、内訳としてはDRI(Direct reduced iron)が84%、残りがHBI(Hot briquetted iron)となっています。

 1999年に稼動を開始したMidrex法による還元鉄プラントは南アフリカ(Saldanha Steel)とトリニダード(IspatDR3)の2ヶ所です。なお、IspatDR3は単一の還元鉄プラントとしては世界最大級のもので、その生産能力は年間136万トンとなっています。Midrex法以外ではオーストラリアやロシアなど合計5ヶ所でプラントが稼動を開始しました。

*1Midrex社の概要】

社  名 Midrex Corporation
本  社 米国 ノースカロライナ州シャーロット市
設  立 1983年8月
社  長 Winston L. Tennis
資 本 金 1,614千ドル(神戸製鋼100%出資)
事業内容 Midrex法直接還元製鉄プロセスの開発・販売。

*2Midrex法について】

天然ガス(CH4)を還元剤として用いる還元鉄製造技術。還元炉にはシャフト炉を使用し、天然ガスの改質装置を付帯する。還元は原料(塊鉱石・ペレット)をシャフト炉上部より挿入し、炉中間部から吹き込むガスにより行う。製品はDRIもしくは再酸化が起こりにくく輸送が容易なHBIとされる。工場立地は主として天然ガスの産出国となる。
Midrex法の特徴としては、①原料として塊鉱石、ペレットの両方の使用が可能である。②還元炉排ガスの改質に循環使用が可能である。③還元時間は6~8時間であり、還元温度は800~900℃である。

なお、このニュースリリースの原文はMidrex社のホームページ(http://www.midrex.com/)でご覧いただけます。

以  上


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