鉄鋼事業本部のコンピュータ統合とパラレルワールドの構築
1996年9月25日 神戸製鋼所 鉄鋼事業本部 神戸製鋼所鉄鋼事業本部のコンピュ-タ統合とパラレルワールドの構築 神戸製鋼所鉄鋼事業本部は、阪神大震災を契機に、現行のコンピュ-タシステムの全 面見直しに着手し、約1年半をかけて、営業、生産、物流等の全鉄鋼事業部門システムを 加古川製鉄所に統合した。また、同時に日本の製造業としては初めて、ホストコンピュ- タの並列シスプレックス技術を適用したパラレルワールドを構築した。本プロジェクトの 完成により、コンピュ-タ運営費用の大幅なコストダウンを達成するとともに、営業、生 産、物流システムの一体化運用を実現した。 当社の鉄鋼事業部門の基幹業務システムはこれまで、加古川製鉄所については独自のホ ストコンピュータで運営し、原料、営業、物流および神戸製鉄所、高砂鋳鍛鋼工場につい ては神戸製鉄所内にある全社ホストコンピュータで運営してきた。昨年初めに、 '96年 度での累積損失解消を目指した中期計画の一環として、コンピュータ費用の削減にむけて 、加古川製鉄所への統合・集約を決定するとともに、従来からの懸案であった営業、生産 、物流システムの一体化運用構想の実現にむけ、IBM社の汎用パラレルコンピュータを ベースにした並列シスプレックス技術の全面採用を決定し、統合作業を実施してきた。 実施に際しては、IBM系、自社系、サ-ドベンダ-系にまたがる種々のハ-ドウェア ・ソフトウェアの統合および移行、本社・事業所・営業拠点・商社・顧客との複雑な通信 ネットワ-クの切り換え、24時間稼働オンラインシステムの短時間での移行等、多くの 技術的課題を日本IBM社、コベルコシステム社、JCN社の全面協力を得て解決し、’ 96年9月に統合を完了し、本格稼働した。 コンピュ-タ統合にあたっては、CMOS型並列プロセッサ-、アレイディスク等の最 新ハードウェアに更新、統一し、コストパフォ-マンス、信頼性、使用可能度の大幅な向 上を実現した。同時に、最新の運営合理化技術を全面採用し、従来の加古川要員を増加す ることなく運営可能とした。また、ハードウェア、ソフトウェアおよび保守サービスにつ いては、一括して価格契約する包括契約方式を採用し、調達価格の低減も実現した。上記 の方策実施により、事業本部全体では、前年度対比で、動産賃借料を主としたコンピュー タ運営費用で約15%の削減を達成した。 また、パラレルワールドの構築により、システム間のデータ共用化や並列処理によるシ ステム無停止運用、処理の高速化が可能となり、営業、生産、物流システム間のオンライ ン連携による一体化運用および機能高度化、システム開発・運営の効率化、製鉄所操業に 必要な24時間オンラインシステムのより一層の連続安定稼働が実現可能となった。 今後は、パラレルワールドを基盤として、鉄鋼CIM実現にむけたシステム機能の高度 化とシステム開発・運営のより一層の効率化を実施する計画である。また、本プロジェク トで得たノウハウは、コベルコシステム社を通じての外販事業化を図っていく。なお、詳 細内容については、インターネット・ホームページを参照ください。 (URL:http://www.ysnet.co.jp/ksl/ ) 以上
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