新型製砂システムの開発・販売について


                             1997年4月15日
                             株式会社神戸製鋼所

            新型乾式製砂システムの開発・販売について

 当社はこのほど、主としてコンクリート(以下生コン)用原料として使用される
細骨材用の砂を人工的につくりだす「新型乾式製砂システム:アストロサンディー
」の開発を行い、販売活動を4月15日より開始します。目標販売数は初年度20
セットです。販売価格は2億円です。
 従来の製砂機はロッドミルを用いたものが主流でしたが、当社が開発した「アス
トロサンディー」に標準装備した新型KMスーパーミル(*1関西マテック株式会社
との業務提携品)は各々2列に配列されたピンシールドを持つ大小2つのロータで
構成され、各ロータは互いに反対方向に回転します。ロータの中心部に投入された
原料は複数列のピンシールド内で何度も衝撃破砕され、機外に排出される構造にな
っており、ニューセラミックスの使用により、耐久性・耐摩耗性が飛躍的に向上し
た上、業界で初めて自動粒度調整装置を装備しており、生コンメーカーの幅広い要
求に合った砂の供給が可能になりました。

 生コンはセメント、水、粗骨材そして細骨材(砂)をそれぞれブレンドして作ら
れますが、この中で使用される砂は大別して、天然で採れる天然砂と人工でつくら
れる砕砂があります。砕砂の品質を決めるのは粒子形状が丸みを帯びていること、
粒子の大きさがそろっていることが重要なポイントとなっています。
 また、生コン製品では強度と施工性が高いことが重要であり、強度は水・セメン
ト比でほぼ決まりますが、安価なコストで一定の強度を出すにはセメント量を少な
くする必要があります。一方、セメント量を少なくするためには砂の粒形、粒度を
コントロールする事が必要ですが、従来の技術では、砂の粒形・粒度を任意にコン
トロールすることは困難であったため、生コンメーカーでは自社設備にあった砂を
調合する必要がありました。

 当社が開発した「アストロサンディー」は生コンに最適の好粒形を達成し、さら
に自動粒度調整装置により粒度の問題を解決しました。これらにより、砂利・砕石
業等幅広い製砂供給業界で高品質で安定した砂をつくり出すことができます。

 現在、細骨材用として使用される砂の量は年間で天然砂は1億トン、砕砂は3千
万トンにのぼっており全体的な需要量は横ばいながら、天然砂の枯渇、採取規制、
自然環境保護などにより、天然砂の供給量は減少し、その一方で砕砂は増加傾向に
あります。
 当社は砕石機械・プラントの分野において国内のパイオニアとしてこれまで数多
くの実績を残しておりますが、今後もユーザーの声を的確にとらえ、さらに開発と
営業活動を積極的に行っていく考えです。

今回当社が開発した「新型乾式製砂システム:アストロサンディー」の主な特長は
つぎのとおりです。

1.粒形(*2粒径判定実績率56%以上)、粒度の優れた高品質な砂を安定して生産
  が可能です。
2.製品粒度の自動コントロールが可能です。
3.KMスーパーミルは耐久性・耐摩耗性に優れかつ低コストのニューセラミック
  スを採用しています。
4.省スペースで据付が簡単なユニット構造になっています。

<主な仕様>
型式	供給量(t/h)	原料粒度別砕砂生産能力(t/h)	動力(kW)
		       13~0mm	5~0mm	5~2.5mm	
50	  50	        35~40	40~45	30~40	       220~280
100	 100	        70~80	80~90	60~80	          -
(注記)
・上記生産能力は使用条件等により、多少変わる場合があります。
・50型はKMスーパーミル1台使用、100型はKMスーパーミル2台使用したシステムです。

<ご参考>
*1関西マテック株式会社の概要
本社   大阪市北区
社長   小野 硯一郎
資本金  4800万円
事業内容 土砂砕石採集骨材製造販売、建材生コン、セラミックの販売。

*2粒径判定実績率
砂の粒子形状の良否を判定する指標の一つ。一定粒度の細骨材を規定の容器に満た
しその絶対容積の容器の容積に対する百分率。(砕砂JIS規格:53%以上)

以上


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