フィリピンにおける溶接材料のライセンス供与について


                                                           1997年8月19日
                                                          株式会社神戸製鋼所

           フィリピンにおける溶接材料のライセンス供与について


  当社は、フィリピンの大手溶接材料メーカーであるIndustrial Welding Corporation
(インダストリアル・ウエルディング社  以下IWC社)に対して、被覆アーク溶接棒の生産・販売
ライセンスを供与することで、このほどIWC社と合意致しました。さらに、当社及
び当社グループが生産した溶接材料をIWC社がフィリピン国内で販売することでも合
意致しました。これによりIWC社は、フィリピン国内において以下の事業展開を行
うことになります。

■ 当社が技術を有する軟鋼用被覆アーク溶接棒『RB-26』、及び50KG HT高張力
   鋼用被覆アーク溶接棒『LB-52-18』の2銘柄に関して、本年10月より生
   産・販売を開始する。
   (初年度の生産量300■/月、シェア10%を目指す。)
■ 当社が日本で生産する溶接材料、及び当社グループがタイ・シンガポールで生産す
  る溶接材料の販売を行う。

  当社の溶接部門はアセアンにおいて、1968年にタイで被覆アーク溶接棒の製
造・販売会社を設立して以来、1978年にシンガポールで被覆アーク溶接棒を、
1988年にタイで2つ目の拠点となる炭酸ガスアーク溶接ワイヤの製造・販売会社
を設立しました。さらに1995年には、シンガポールの現地法人の関連会社として、
マレーシアにおいて被覆アーク溶接棒の生産・販売会社を設立しました。また、イン
ドネシアのインティビ社に対して、1978年より被覆アーク溶接棒のライセンス供
与を行ってきました。その結果、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールの
4ケ国における当社グループの現在のシェアは、40%強を確保しています。
  しかしフィリピンに対しては、従来当社及び当社グループからの輸出で対応してき
ましたが、輸入関税が30%と高いため、月間3,000■あると言われている溶接
材料市場で当社グループのシェアは数%に止まっています。

  この様な状況下で、当社は、本年4月より中期経営計画『KOBELCO-21』
を推進中であり、この中期計画の中で溶接事業部は「世界シェア10%の達成」を目
標とした『グローバル-10』戦略を展開中であります。今回のライセンス供与は、
今後順調に需要拡大が見込まれるフィリピン市場での神鋼グループのシェア拡大を可
能とし、本計画達成に向けた布石であるといえます。
  一方IWC社は、当社からライセンス供与を受けることによって、高品質な溶接材
料を生産・販売することが可能となります。その結果、現地進出の日系企業等への供
給が可能となり、事業拡大が図れることになります。

ご参考

<IWC社の概要>
■ 社  名:Industrial Welding Corporation
■ 住  所:フィリピン  マニラ市
■ 社長名:Haya  Ong  Hai
■ 資本金:450万ペソ(約2千万円)
■ 従業員:約220名
■ 設  立:1982年1月
■事業内容:被覆アーク溶接棒、炭酸ガス溶接用ソリッドワイヤ、サブマージアーク
           溶接用ワイヤ、フラックスの製造・販売



                                                                     以  上


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