スパンボンド不織布プラントの受注について
1997年8月21日 スパンボンド不織布プラント受注について 当社はこのほどインドネシア・スラバヤ地区のマルチ スプニンド ジャヤ社向けにスパ ンボンド不織布プラントを受注しました。1997年3月27日に正式契約調印済みであ り、1998年初頭に工事着工し、稼動開始は1998年上半期の予定です。尚、プロジ ェクト金額は約15億円です。 今回、当社が納入するプラントの特徴は以下の通りです。 1. 1ラインで運転条件調整を行い、原料樹脂を切り替えることによってPP(ポリプ ロピレン)スパンボンド不織布とPET(ポリエステル)スパンボンド不織布の両 方を生産できます。同一のラインでPP及びPETの2種類のスパンボンド不織布 を製造できる技術は実証プラントレベルでは世界で唯一のものです。 2. プラント稼動時の生産能力は3,500トン/年で、市場状況に応じてスピニングヘ ッドを追加して7,000トン/年体制まで拡張が可能になっています。 3. 1デニール(デニールは生糸などの太さの慣用単位で、一般的には1デニール=1 gの樹脂を9,000mに伸ばしたもの)の極細繊維からなるスパンボンド不織布の 生産が可能です。 4. 当社の2軸押出機を採用したことにより、押出機内でポリエステル樹脂の結晶化・ 乾燥も行うため、ポリエステルの紡糸では従来必要とされていた原料樹脂の結晶 化・乾燥装置が不要となっています。 製品の販売用途としては衛生材料(手術用キャップ・マスクや紙おむつなど)、農業資 材(ビニールハウス内のカーテンなど)、屋根材、衣料用芯地、土木・建築資材、寝装・ 家具材料などが挙げられ、当プラントで生産される製品の約50%を日本を含めたアジア を中心に輸出します。 《プラント概要》 ・設備概要 : PP&PET スパンボンドプラント 1基 ・生産能力 : 3,500トン/年(7,000トン/年まで拡張可能) ・原 料 : Polypropylene(PP)chip及びPolyethylene Terephtalate (PET)chip ・繊 維 : 1デニールの極細が生産可能 ・製 品 幅 : 3.2m幅 ・製品目付 : 10g/m2 ~ 120g/m2 《マルチ スプニンド ジャヤ社の会社概要》 ・所 在 地 インドネシア スラバヤ ・社 長 ハリー・ヘルハント(Harry Herjanto) ・事業内容 スパンボンドの製造 ・設 立 1997年3月7日 ・資本金 350万USドル ・主要設備 PP&PET スパンボンドプラント 1基 ・生産能力 3,500トン/年(7,000トン/年まで拡張可能) 当社実績としては、1989年に米国デュポン社と共に旧ソ連向けに世界最大級の年産 2万トン規模のスパンボンドプラントを設計・供給し、1994年にはニッポン高度紙工 業(高知市)と共に韓国の大手繊維メーカー(株)韓一合維向けに年産3千トンのスパン ボンド不織布プラントを納入しました。1995年より東南アジア・東アジアを中心にス パンボンド不織布プラントの輸出に注力し、今回のインドネシア向けの受注となりました。 又、近々、インドやサウジアラビヤ等でもスパンボンドプラント成約を予定しています。 スパンボンド市場は年率6%~10%程度で成長を続けており、当社は成長著しい東南 アジア地域及び中南米地域でのスパンボンド不織布プラント販売に一層の注力を致します。 《語句説明》 ・スパンボンドとは 溶融した繊維を高速で紡糸し、堆積捕集して形成したシートやウェッブ ・不織布とは 一般的に繊維を織らずに形成したシートやウェッブ 以上
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