大型無停電電源装置の販売開始について


                                                                                          1998年2月18日


                             大型無停電電源装置の販売開始について


当社はこのほどPILLER社(ドイツ)と大型*1ダイナミックタイプの無停電電源装置
システム(以下、商品名:TRIBLOCKシステム)の日本国内での代理店販売契約を
締結し、販売を開始致します。TRIBLOCKシステムは、*2一体型モータジェネレータ
(以下、一体型M/G)と*3フライホイール蓄電装置(商品名:POWERSTOCK)の組
み合わせを特徴としたダイナミックタイプで、従来使われているバッテリーと半導体
素子の組み合わせからなる静止型無停電電源装置とは全く異なった機器構成とな
っています。販売価格は、TRIBLOCKシステム1670(1670kVA,高圧対応,現地据付け
含む)で1億6500万円です。尚、初年度販売目標は10台です。

無停電電源装置とは、一般的に電気を必要とする機械や設備が停電・瞬時電圧低
下などの障害により正常に運転出来なくなるのを事前に防ぐために使われる補助電
源のことをいいます。今回、当社が日本国内で販売を開始するPILLER社製TRIBLOCK
システムは140kVA~1670kVAのレンジをサポートするシリーズで、半導体製造工場・
インテリジェントビル・公益設備などが主な対象設備となります。

 
TRIBLOCKシステムは一体型M/Gとフライホイール蓄電装置(商品名:POWERSTOCK)
を結合し、メインラインより枝分けして設置することで平常給電時に最大97.5%の効率
を実現します。また、TRIBLOCKシステムは、UPS機能とともに電圧の安定化機能を有し
ており、POWERSTOCKより常時メインラインへ電力の供給を行い、負荷側への電圧を
補償します。例えば、TRIBLOCKシステム1670の場合、メインの電圧が50%低下しても
負荷側には30秒間・100%の電圧を供給できます。さらにTRIBLOCKシステムは*4
高調波カット機能や大きな許容短絡電流を特徴としています。
また、このTRIBLOCKシステムは欧米でバッテリーを使用しない製造設備用瞬低対策装
置(電源スタビライザ)として注目されており、97年にPILLER社が販売を開始してから、
すでに半導体・通信業界を中心に約20台の受注実績があります。

・ TRIBLOCKシステムと従来方式(静止型)の機能比較は、以下の通りです。

適   用	                  TRIBLOCKシステム	           従来方式(静止型)

1. 効率	                      最大97.5%	                                  約90%
2. 環境対策	  廃棄物が発生しない。	  処理の必要な廃棄物が発生する。
3. 省スペース性	余分なスペースを取らない。	      省スペース化は難しい。
                                  (バッテリー容量に比例したスペースが必要。)
4. メンテナンス性	  寿命は約25年以上。	   鉛バッテリー寿命は5年~10年。
5. 高調波対策	    99%の減衰が可能。	             別途対策が必要。
6. 許容短絡電流	      定格電流の10倍。	      定格の2~3倍。

 以上のように、TRIBLOCKシステムは従来のUPSシステムにはないユニークな機能を
持っており、多様なユーザニーズに応えることが可能です。また、当社はこのTRIBLOCK
システムの姉妹システムとしてUNIPOWERシステム(PILLER社製)と呼ばれる商品もライ
ンナップとして取り揃えております。

 当社は、これらのUPSシステムをエレクトロニクス・半導体・通信・交通分野向けに極め
て有望な製品と位置づけ、当社の保有する販売ネットワークを有効に活用し、積極的な
販売活動を行ってまいります。

《PILLER社 概要》
・会 社 名   :PILLER  GmbH
・ 設   立   :1909年
・ 所 在 地   :Osterode  Germany(オステローデ ドイツ)
・ 社   長   :Dr.Klavs  Westphal(クラウス ヴェストファル博士)
・ 従 業 員 数 :1000名
・ 資 本 金   :3500万マルク
・ 事業概要    :モータ/ジェネレータの製造、配電盤の製造、ファン/送風機の
              製造、電気設備の販売、産業機械設備の販売など

《語句説明》

* 1.ダイナミックタイプ(UPS)とは?
 半導体電力変換装置であるサイリスタやIGBTを使用したインバータ方式による静
 止型UPSに対し、モータジェネレータ等の回転機をエネルギー変換に用いるUPS
 システムをダイナミックタイプUPSという。

* 2.一体型モータジェネレータとは?
 従来は、モータと発電機(ジェネレータ)が同一軸上に別々に取り付けられており、
 エネルギーはモータから発電機へ軸回転を介して伝達されています。
 一体型モータジェネレータはモータと発電機の巻線を同一ステータに組込み、回転子
 を共有化させてたものです。これにより、モータからジェネレータへのエネルギー伝
 達は直接電磁力で行えるようになり、効率を大幅に向上させています。
 
* 3.フライホイール蓄電装置(商品名:POWERSTOCK)とは?
 フライホイールと同期電動発電機が同一軸上に構成されており、供給側の電源が正常
 な場合は、その電源で電動機を駆動させてフライホイールを一定回転に保ち、供給電
 源がなくなった時には、フライホイールの回転慣性エネルギーを使って発電します。
 PILLER社のPOWERSTOCKは16.5Mwsの電力を蓄え、負荷に給電することができま
 す。

* 4.高調波とは?
 50Hzまたは60Hzの基本波(正弦波)の整数倍の高い周波数をもつ電源波形
 のことで、電力供給ラインに含まれる一種のノイズのことです。主に、半導体素子を
 もつ装置から流出しており、テレビなどの家庭電化製品からも流出しています。この
 高調波により、電気製品の誤作動や異常発熱が発生します。近年、高調波障害が増加
 してきており、通産省から「高周波抑制対策ガイドライン」が出されています。
 
                                                  以上


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