後方小旋回ショベル「グランビートル」及び 超小旋回ショベル「セイバー」の開発・販売について


                                                          1998年4月14日

   重機ショベルとして初の本格的 後方小旋回ショベル「グランビートル」 
         及び 超小旋回ショベル「セイバー」の開発・販売について

グランビートル60SRとセイバー75UR
左:超小旋回ショベル「セイバー75UR」 右:後方小旋回ショベル「グランビートル60SR」

 当社はこのほど、標準機並みの作業性と居住性を実現した本格的後方小旋回ショベル 「グランビートル60SR」(バケット容量0.28m3、運転質量6,700kg)と2.5m幅内で掘削・ 旋回・積み込みの一連の作業が行える超小旋回ショベル「セイバー75UR」(バケット容量 0.28m3、運転質量7,640kg)の2機種を開発し、4月20日より販売を開始します。 販売価格と販売目標台数は以下の通りです。 後方小旋回ショベルグランビートル60SR 超小旋回ショベルセイバー75UR 販 売 価 格 1,220万円 1,490万円 販 売 目 標 1,100台/年 660台/年 現在、油圧ショベルは従来から存在している1.「標準型」2.「超小旋回型」、それに数年 前に市場に登場した新しいカテゴリーである3.「後方小旋回型」~の3タイプに大別され、 それぞれ「作業時の安定性に優れる」、「狭隘地の作業性に優れる」、「両方の長所を兼ね 備えている」などの特長を有しています。 特に3.の「後方小旋回型」は、同じ小旋回型の一種でありながら、用途や再販性に制限が ある「超小旋回型」とは異なり、各種のフロントアタッチメントを装着できるなどのオール マイティな特性が(昨今の厳しい業界ニーズにフィットして)一般ユーザーやリース・レン タル業界から歓迎されており、今後のショベルの主流になると予想されています。 しかしながら、この「後方小旋回型」という新カテゴリーは、市場への登場が新しいこと もあって各社の仕様主張に大きな差異が見られます。 つまり、それは標準型キャブの搭載で居住性には申し分ないが、後方のハミ出し量が大き く小旋回性に劣る「標準型ベースのもの」と後方のハミ出し量が少なく小旋回性に優れるが、 キャブスペースが狭く居住性に難点がある「超小旋回型ベースのもの」の存在であり、どち らも一長一短なものになっています。 このようなことから、当社では1996年5月に発表以来、ご好評をいただいている後方 小旋回ショベル「ビートルシリーズ」(1.5tから4.5tクラス7機種)の「より快適な小旋回 ショベルを創る」という「ビートルコンセプト」を踏襲し、「標準型ベース」「超小旋回型 ベース」そのどちらにも属さない「後方小旋回ショベルとしてのあるべき姿」を追求した、 重機ショベルとしては初の本格的後方小旋回ショベル「グランビートル60SR」を開発したも のです。開発にあたってはモジュール設計など最新の開発技術を導入したほか、後方小旋回 ショベルとしての機能特性面ばかりではなく、購入から再販にいたる一連のショベルのライ フサイクルにおいて、優れたコストパフォーマンスを実現できるよう総合的な完成度の向上 に努めました。 また、今回、同時発売する7tクラスの超小旋回ショベル「セイバー75UR」は「より狭隘現 場での使用」を目指す機能持性から、キャブやアタッチメントなどに違いがあるものの、同 じ「ビートルコンセプト」に基づき開発されたもので、「グランビートル60SR」と構造・諸 元など快適性能の多くを共有する「ビートルファミリー」の一員です。 {ネーミングの説明} * 「グランビートル」は「偉大かつ最上級のビートル」を意味しており、ビートル(=カブ * トムシ)の力強さのイメージと後端半径を短くしたそのフォルムから「尾~取る」とかけ * て名付けました。 * 「セイバー」は「救援者」を意味し、旋回半径(R)をセーブするという意味も込めて採用 * しました。 「グランビートル60SR」「セイバー75UR」共通の特長 (1) 後方旋回半径はクローラ幅内 本体上部の後端がクローラ幅から出ないので、旋回時でも後方に神経を遣わず前方作業に 集中できます。 (2)標準機同等の安定性・作業性を確保。 足回りの大型化、カウンタウエイトの増量などにより標準機と同等の安定性を確保。パワ ー、スピードもまた標準機レベルを実現しています。 (3)コベルコ定評のスムーズ操作性をさらに向上。 メカトロ化でレバーの制御領域を拡大するとともに、応答性を高めた電子アクティブコン トロールシステム採用により操作性をいっそう向上しました。 (4)シンプルデザインの堅牢設計。 上部旋回フレームは底部を厚板の一枚構造として強度をアップしました。また、ウレタン 塗装の採用で塗装品質を向上し、経年劣化の低減を図っています。 (5)メンテナンス性にも充分配慮。 日常点検、レンタル業者の点検整備、修理業者の点検修理と段階に応じたメンテナンスが できるように機器を配置しています。 (6)社会環境・業界環境の変化に対応。 97年10月より騒音値の測定基準が変更になった新低騒音型建設機械に指定。また、建設 省が97年度より直轄の一般工事において使用を義務づけしている、排出ガス対策型建設 機械にも指定。 「グランビートル60SR」の特長 (1)3tクラスの現場で使用できる6tクラス。 3m幅内で180°旋回ができるので、作業占有幅は3tクラス並みに匹敵します。使用 現場が広がり稼働効率も大幅に向上できます。 (2)新デザインのコンフォートキャブ搭載。 小旋回機にもかかわらず標準機並みのゆとりある運転空間、視界性、乗降性を確保したミ ディアムサイズの新デザインキャブ。オートエアコンの標準装備により快適性もアップ。 キャブフロアは液封ビスカスマウントを採用し振動、騒音を大幅低減。 (3)多様化する工事にさまざまな仕様で対応。 ドーザ、テレスコ、ハイリーチ、セパレートブームなど用途に合った仕様が選択でき、後 方小旋回のメリットをさらに発揮。追加バルブもアドオン式の採用で破砕機などのアタッ チメント装着も容易に行えます。 「セイバー75UR 」の特長 (1)2.5m幅内で全旋回。 前方、後方ともにクローラ幅(2.32m)内で旋回ができるので、2.5m幅車線内で掘 削、旋回、積み込みの連続作業が容易に行えます。 (2)コベルコ独創のオフセット機構が機能アップ。 シリンダ・配管を内蔵したまま、さらに軽量化と幅の縮小を実現。またクラス最大のオフセ ット量で右のシュー外側掘削量は約バケット1個分が得られ、壁際での側溝掘削が容易 に行えます。 (3)左オフセットも制限する新・作動範囲制御装置。 高さ・深さ表示付き制限装置に新しく左オフセットの位置決め制限機能を追加。設定した オフセット位置より左に行かないので、側溝掘り時の安全性と作業効率をアップします。 (4)旋回加速制御システムを新たに採用。 バケット位置が近くなるほど旋回起動力と停止力を抑え、作業半径の大小に影響されない 旋回操作性を実現しています。 以上



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