1998年10月19日
株式会社神戸製鋼所
段谷産業株式会社
三井物産株式会社
三井物産鉄鋼建材株式会社環境配慮型商品『エコスチール』の開発および商品化について
このほど、株式会社神戸製鋼所(社長:熊本昌弘)、段谷産業株式会社(社長:段谷陽一郎)、三井物産株式会社(社長:上島重二)、三井物産鉄鋼建材株式会社(社長:片山誠二郎)の4社は、鋼板に高機能化粧材「ペプ(PEP)シート」(*1)をラミネートした環境配慮型化粧鋼板『エコスチール』(*2)を開発しました。また、既に「エコスチール」を用いた各種建材製品の商品化にも着手しており、'98年11月から「エコスチール」の販売活動を開始する予定です。
板厚0.4mm~0.5mmの標準価格は、一般化粧鋼板並の1,000~1,500円/m2で、当面の販売目標量は月間30万m2です。
今後、「エコスチール」の製造については、神戸製鋼の加古川製鉄所(兵庫県加古川市)にて行い、販売については、神戸製鋼、段谷産業、三井物産、三井物産鉄鋼建材の4社で行います。
尚、「エコスチール」の製品および製造方法について、国内外ともに共同特許出願中です。今回開発した「エコスチール」は、1)天然木に近い質感を有するので、木材に代わる新素材として森林保護に貢献でき、2)従来型化粧鋼板などの焼却処理時に問題となっている有毒ガスや煙の発生が殆どなく、3)化粧材用の接着剤の改良により、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの発生が全くない、などの環境に優しい化粧鋼板です。
「エコスチール」は、亜鉛めっき鋼板の表面に高機能化粧材「ペプ(PEP)シート」をラミネートした化粧鋼板であるため、天然木の手触り・質感・高級感を有すると共に、木製品の欠点である変形がなく、鋼製製品の強度・耐久性などを持った、木と鋼板のそれぞれの長所を兼ね備えた鋼板です。また、木目調に限らず、あらゆるデザインに対応可能です。
「エコスチール」の主な特徴は、以下の通りです。
- 見た目も手触りも天然木に近いため、柔らかく温かみのある質感を有しており、 更に木目調に限らずあらゆるデザインに対応が可能である。また、森林伐採の抑制 によって森林保護に貢献できる。
- 焼却処理時に有害ガスが殆ど発生せず、リサイクルも容易である。
- シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの発生がない。
- 折り曲げ加工が可能で有り、耐磨耗性・耐汚染性にも優れている。
- 不燃性を有するので、万一の火災発生においても内装建材として優れている。
「エコスチール」は、エコマークと不燃材認定を申請中であり、クロゼットドア、引き戸、ロッカー、パーティションなど家具・内装建材の商品開発に成功しています。また、既に大手メーカーでの採用も内定しております。
今後は、環境と人に優しい新建材用素材として国内外で、ビル及び住宅の内装用途を中心に、順次、家電など広範囲な用途への展開を計画しています。
尚、この「エコスチール」は、10/20~10/23に東京ビッグサイトで開催される「ジャパンホームショー」に出展予定です。「エコスチール」の製造可能範囲は、以下の通りです。
原板厚0.3~0.6mm 板幅914~1219mm コイル単重2~15トン <語句説明>
- *1 ペプ(PEP)シート
- 段谷産業が開発した高機能化粧材。パルプ繊維を特殊技術により強化したウレタン樹脂化粧材なので、焼却廃棄処分、リサイクルも可能。木製建具分野では既に、プレハブメーカーやシステムキッチン用途に於いて10年以上の使用実績がある。
尚、ペプシートの開発・普及が評価され、段谷産業の代表者である段谷陽一郎氏が'97年度科学技術庁長官賞を受賞した。- *2 エコスチール
- 地球環境に優しく、人に優しい亜鉛めっき鋼板であることから、
Ecology Steel ⇒ 「ECOSTEEL」
と名づけたもの。**参考資料**
<各社の役割>
神戸製鋼 『エコスチール』の製造および販売 建設分野以外も含めた用途開発 加工技術の開発および加工アドバイス 段谷産業 『エコスチール』の同社製品販売ネットワークを活用した販売 『エコスチール』を使用した建築部材の販売 「ペプ(PEP)シート」の製造 三井物産 『エコスチール』の木質ルートを通じた販売 『エコスチール』を使用した建築部材
および建材製品の販売三井物産
鉄鋼建材『エコスチール』の鉄鋼ルートを通じた販売 『エコスチール』を使用した建築部材
および建材製品の販売以上
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