石炭灰の有効利用技術の開発と実証プラントの稼動について
1998年11月5日 (株)神戸製鋼所 (財)石炭利用総合センター テクノ・リソース(株) (株)コムリス 石炭灰の有効利用技術の開発と実証プラントの稼動について 神戸製鋼、石炭利用総合センター、電力会社の関連会社として石炭灰の有効利用等 に取り組んでいる*1テクノ・リソース、*2コムリスは石炭火力発電所などから発 生する石炭灰をコンクリート用人工超軽量骨材(骨材=砂利)として再資源化する技術 を共同開発し、この成果を量産レベルで実証するためのパイロットプラントの稼動を9 日より開始します。 本プラントの概要は以下の通りです。 1. 設置場所:神戸製鋼 加古川製鉄所内(兵庫県加古川市) 2. 処理能力:0.3トン/時間 3. 主要設備:造粒機(パン型ペレタイザー 1.5mφ)、焼結機(幅0.4m×長さ6m) 今回開発した人工超軽量骨材は高炉投入前処理技術をベースにしたもので、石炭灰 に添加剤や水などを加えて5~15■程度のペレットに造粒した後、バーナーで着火 し、石炭灰に含まれる未燃炭素によって少ない熱エネルギーで自燃焼結させます。冷 却後、粒度調整のためのふるい分け工程を経て製造されます。 新たに開発した低比重剤や発泡化剤を添加するとともに粗い原料灰を使うことで、 標準的な構造用軽量コンクリート骨材である天然産の「膨張けつ岩」(粘土系鉱物) と比較して、比重を1割以上(*3絶乾比重1.25g/cm3以下)低減しており、構造用軽 量コンクリート骨材としてはこれまでにない軽量化を実現しています。その一方で、 コンクリート強度は従来製品並みであることから、高層建築物などへの適用が期待さ れます。 石炭灰は97年度で年間720万トン発生しており、このうち500万トン(約7 0%)が有効利用されていますが、残りの30%は埋立処分されています。有効利用 分野としてはセメント分野向けに330万トンが原材料や混合材として利用されてい ます。石炭灰の発生量は今後も増加すると予測されているため、セメント分野以外の 土木・建築分野での有効利用技術の開発が望まれています。また、埋立処分場の新設 は次第に困難になってきていることからも石炭灰を再生して利用促進を図ることが重 要な課題となっています。 今回の実証プラントの稼動により2000年3月までの間、石炭灰の手配から実証 運転による各種データの検証、製品評価に至るまでを共同で進める予定です。また、 得られた技術により、下水汚泥焼却灰や建設汚泥など石炭灰以外の廃棄物への応用も 検討していくこととしています。 (ご参考) *1テクノ・リソース(株)の概要 1. 本社:香川県高松市屋島西町2109番地8(TEL 087-841-7708) 2. 資本金:5000万円(四国電力グループ51%、住友大坂セメントグループ49%) 3. 社長:永岡建城氏 4. 設立:1993年1月 *2(株)コムリスの概要 1. 本社:名古屋市中区丸の内1丁目2番30号(TEL 052-212-2791) 2. 資本金:1億円(中部電力 70%、太平洋セメント30%) 3. 社長:増尾一郎氏 4. 設立:1990年8月 *3絶乾比重 100%乾燥した状態で測定した見かけ比重。 以 上
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