1999年7月26日

                                 株式会社神戸製鋼所

                            コベルコ・コンプレッサ株式会社

空気圧縮機(コンプレッサ)の省エネ診断・提案ビジネスの強化について

        ~ 省エネルギー法改正により診断依頼殺到 ~

 

 コベルコ・コンプレッサ(株)(以下 当社)は今月下旬より、最新鋭の省エネ診断機器

を全国のサービス拠点に導入し、これまでに他社に先駆けて行ってきた圧縮機設備全体に関

する省エネルギー診断および提案サービス体制をさらに強化します。

 これは、本年4月に省エネ法が改正されたことに伴って急増しているユーザーからの省エネ診

断依頼のニーズに対応すると同時にコンプレッサメーカーとしてユーザーに対する省エネ改善

企業努力と提供の取り組みであり、全国の各支店に最新鋭の省エネ診断機器を導入するとともに、

サービス員を増員することによって、さらに積極的なカスタマーサポートを展開していきます。

 

 最近急増している省エネ診断依頼の背景には、1997年12月に開催された「気候変動枠組

み条約第3回締約国会議(地球温暖化防止京都会議)にて、日本が2008年から2012年の

間に温室効果ガス(主に炭酸ガス)を1990年使用量の6%削減を宣言し、それに伴って本年

4月に省エネ法が改正されたことがあります。今回の省エネ法改正は、「エネルギー使用量の合

理化」を確実に達成するために、「第一種エネルギー管理指定工場」(電力使用量1,200万kW

h/年以上;政令指定)には、従来の規定に省エネ将来計画(3~5年)の作成・提出の義務を

追加されました。また今回新たに、電力使用量600万~1,200万kWh/年のあらゆる事業所・

工場を「第二種エネルギー管理指定工場」と定め、これに該当する全国約9,000以上の各事業所・

工場に対して、炭酸ガス排出量の削減を目的としたエネルギーの使用合理化への取り組みを義務

付けされました。

 

 当社は、84年間蓄積してきたコンプレッサ基本技術とユーザー志向のノウハウと高度な省エ

ネ診断機器を駆使して、1996年から、空気圧縮機単体だけでなく、周辺機器・配管なども含

めた圧縮機設備トータルでの省エネ診断・提案サービスを他社に先駆けて取り組んできました。

 このたび、急増するユーザーからの診断依頼に対応するためにも、サービス営業員を増員する

とともに、自社開発したソフトウエアを内蔵した最新鋭の省エネ診断機器を全支店に配置します。

これによって診断処理能力は、現在の約5倍以上と大幅に増加するため、より一層迅速な対応が

可能になります。

 

 

省エネ診断拠点

年間処理能力

現在の診断サービス体制

播磨工場CSセンター 1拠点

約100件

体制強化後

全国支店・播磨16拠点

約500件以上

 

 当社の省エネ診断・改善提案サービスの内容は、次の通りです。

 

 1)現場での24時間連続1週間にわたる現状データ測定

   工場全体のエアー消費量、使用空気量変動時の圧力変動、エアー元圧と末端圧力との圧力

  差などの省エネ診断に必要なデータを、分単位のリアルタイムで24時間連続1週間に渡り

  測定・記録を行う。

 2)詳細な実測データに基づいた省エネ改善対策の提案

   工場全体またはブロック毎の台数制御自動運転システムの導入、圧力低下防止のための適

  正容量レシーバタンクの選定、適正配管サイズの選定など、詳細な実測データに基づいた省

  エネ診断改善対策を提案する。

 3)省エネ効果のシミュレーション予測

   省エネ改善前と改善後の省エネ効果の比較をコンピュータでのシミュレーション解析に

  より、省エネ効果や費用対効果などを事前に確認する。

 

以上の1)~3)により、最大の省エネ効果を実現することが出来ます。当社の改善プロセスは、

省エネ改善効果の少ない簡易的な運転電流測定による診断とは全く異なり、また、競合他社製の

圧縮機も含めて診断できる、本格的な診断技術を採用しています。

 

 社団法人日本産業機械工業会(代表者:相川賢太郎氏)によると、工場操業の中でも大量に電

力を消費するもののひとつである空気圧縮機の年間消費電力は、過去15年間の総出荷台数の出

力から約400億kWh(プロセス圧縮機を除く)と算出し、これを10%削減することが、日本

の総消費電力量(約8,000億kWh/年)の年0.5%以上の削減につながると提言しています。

 この削減10%に相当する40億kWhは、およそ高知県の1年間の総消費量と同等です。

 同工業会は、省エネルギーに向けた空気圧縮機の運転改善の取り組みがこれからの企業の最優

先課題であると位置付け、圧縮機メーカーに対して、エネルギー原単位が低減する高効率圧縮機

の開発だけでなく、ユーザーの省エネルギーにつながる運転方法・設置などの適切な提案を呼び

掛けています。

 

 当社の省エネ診断サービスは、消費電力の削減だけではなく、無駄の排除という点からもその

後の工場経営に大きく貢献するものであると考えます。

 当社は今後も、空気圧縮機の開発・製造・販売・サービスの提供だけでなく、トータル圧縮機

設備に係わる環境問題に対するサービス提供活動に取り組んでいきます。

 

<コベルコ・コンプレッサ(株)の概要>

本  社:東京都中央区日本橋兜町7番12号(山種ビル9F)

社  長:渡邊 弘幸

資本金 :450百万円(神戸製鋼所100%)

設  立:1997年7月1日

従業員 :124名(1999年3月末現在)

業務内容:汎用・準汎用圧縮機、及び周辺機器の販売、アフターサービスなど

 

~本件に関する問合わせ先~

コベルコ・コンプレッサ(株) 営業企画室 TEL 03-5644-0013

(株)神戸製鋼所       秘書広報部 TEL 03-5739-6010

                                      以上


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