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銅箔事業への参入について
1996年7月1日 サンアルミニウム工業株式会社 株式会社神戸製鋼所 銅箔事業への参入について サンアルミニウム工業株式会社(代表取締役社長:村門 博 以下サンアルミ)は、 同社の千葉工場内で銅箔を製造することを決定し、この程工事に着工致しました。当 面は既存の小幅箔圧延機を専用設備としてリチウムイオン二次電池用銅箔を製造する ため、新たな設備投資を極力抑え、洗浄機・スリッター等の付帯設備のみを新設し、 投資額は約1億円となります。なお、生産能力は当面50㌧/月で、96年10月より本格 生産を開始する予定です。 現在の小型蓄電池の種類としては主にニッケル・カドミウム電池(電圧:1.2V)、 ニッケル水素電池(電圧:1.2V)、リチウムイオン二次電池(電圧:3.6V)がありま す。マルチメディア時代の到来とともに、ノート型パソコン、携帯電話、家庭用8ミ リビデオ等が急速に普及し、ますます小型軽量高性能な蓄電池の必要性が高まり、そ のため重量エネルギー密度・体積エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池の需 要が急速に増大しています。具体的には、1996年末に 2,000万個前後/月、2000年に は 5,000万個/月~ 6,000万個/月(銅箔使用量:月間 300㌧前後)と予想されてい ます。 リチウムイオン二次電池はアルミニウム箔を素材とする正極、銅箔を素材とする負 極、絶縁板、正極・負極端子、ケース等で構成されています。サンアルミはアルミ箔 の総合メーカーとして神鋼からアルミ板材の供給を受け、従来より正極構成部材であ るアルミニウム箔を生産し、電池メーカーより高い評価を受けてきました。今回の銅 箔事業への参入は、サンアルミがアルミニウム箔の製造で培った固有技術を展開する と同時に、神鋼が従来から有する高度に蓄積された銅板条技術の支援を受けることに よって可能となるものです。またすでに生産技術を確立し、専用圧延機を使用して試 作品生産を行いサンプル出荷をしています。 今回の銅箔事業への参入の意義は以下の通りです。 (1)アルミニウム箔製造で習得した固有技術(厚さ、幅、外観、残油等の要求品質を 満足する圧延技術)を銅箔製造に有効に展開・活用できる。 (2)既存圧延機等を有効利用し、独立した銅箔専用建屋・専用ラインを持つことにより、 新規設備投資を極力抑えた銅箔事業への参入が可能となる。従って優位なコスト競 争力を有することになる。 (3)神鋼から素材の供給を受けることにより、素材から箔までの一元化が図れ、ユーザ ーからの要求に迅速に対応できる。 (4)リチウムイオン二次電池用としてのアルミニウム箔の納入ルートが確立できている。 〔ご参考〕 <サン・アルミニウム工業株式会社の概要> 社名:サン・アルミニウム工業株式会社 本社:千葉県千葉市稲毛区六方町260 工場:同上 資本金:5億6千万円(出資比率 神鋼:80.5% 日商岩井:19.5%) 代表者:代表取締役社長 村門 博 従業員:257名(1996年3月末) 主な事業内容:アルミニウム箔の製造・販売 <電池の種類について> 電池にはいわゆる乾電池といわれる一次電池と、各種電気機器のバッテリーに使用 される二次電池がある。二次電池の大きな特徴は充電が可能という事であり、携帯 機器の発達に伴って二次電池の市場は爆発的に拡大すると考えられている。 ┌一次電池(乾電池)・・・マンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池 電池┤ └二次電池(充電地)・・・ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、 リチウムイオン電池 <リチウムイオン二次電池の概要> リチウムイオン二次電池は、リチウムを液に用いる充電地で、重量エネルギー密度が他の 二次電池に比べが図れる。 ┌───────────┬──────────┬───────────┐ | |重量エネルギー密度 | 体積エネルギー密度 | ├───────────┼──────────┼───────────┤ |リチウムイオン電池 | 120Wh/Kg| 235Wh/l| ├───────────┼──────────┼───────────┤ |ニッケルカドミウム電池|30~52Wh/Kg| 70~158Wh/l| ├───────────┼──────────┼───────────┤ |ニッケル水素電池 | 54Wh/Kg|170~180Wh/l| └───────────┴──────────┴───────────┘ 以上ホームへ
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