都市ごみ熱分解溶融炉技術について


                                    1996年7月23日


               都市ごみ熱分解溶融炉技術について

 当社は、このほど都市ごみ流動床焼却技術と飛灰の溶融技術を応用した次世代炉で
ある「熱分解溶融炉」に関して、その実用化の目処をつけました。

 熱分解溶融炉とは、まず流動床式の熱分解炉でごみを500℃程度の砂の中で蒸し
焼き状態にして熱分解させ、金属類を底部から回収すると同時に、残った分解成分を
旋回流型の溶融炉に送り、1300℃以上の高温で燃焼溶融して灰分をスラグ化する
もので、溶融炉から出る高温排ガスから熱回収し、高効率の発電をすることが可能と
なります。また、本プロセスの特長として、 1処理工程におけるダイオキシン等の公
害物質の発生と排ガス量を抑えた環境に優しいシステムであること、 2溶融スラグの
他、鉄以外のアルミ等の金属を資源価値の高い状態で回収できること、 3熱分解ガス
を直接溶融に利用するとともに、その排ガス排熱からエネルギーを回収・有効活用で
きることが挙げられます。
 当社は、これまでの流動床焼却技術とプラズマ溶融技術および溶融飛灰からの重金
属回収技術に、新たに熱分解溶融炉技術を加えて、総合環境エンジニアリング会社と
してのメニューの充実を図ります。

  現在、都市ごみ処理プラントメーカー各社は、ごみの持つエネルギーを有効に活用
した溶融処理と有価物の回収と同時に行える低公害な熱分解溶融方式に着目しており、
次世代炉として活発な開発が行われています。
 当社は、下水汚泥分野では既に下水汚泥に関する熱分解抑制燃焼付き溶融技術を完
成させており、滋賀県の湖南中部浄化センターに納入致しました飛灰ベース 6.5トン/
日の溶融炉も6年間順調に稼働を続けているとともに、現在、更に飛灰ベース24トン/
日の溶融炉を増設中( 本年9月供用開始)であるなど、本技術の安定した操業性が需
要家から高く評価されています。一方、都市ごみ分野でも流動床焼却炉とその飛灰を
溶融する設備(処理能力:焼却72トン/日、プラズマ溶融炉5トン/日)を徳島県の美馬
環境整備組合より受注し、現在建設中(平成9年3月竣工予定)であるなどの実績を
上げています。
  このように、当社は都市ごみ流動床焼却炉や下水汚泥の焼却炉、飛灰の旋回流溶
融炉等信頼性の高い技術を既に実用炉として操業中であり、溶融飛灰からの重金属回
収技術も開発確立しているなど、これらの技術ポテンシャルをベースに他社よりも早
期に新しい次世代炉の開発と信頼性の高い施設を提供できます。

  当社はこの技術をベースに、今後平成9年度を目処に、20トン/日程度の実証施設の
建設検討に入る予定です。その後、実証炉での技術確認を行った上で、平成10年度
内の上市を目指しております。



                                      以 上
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当社を取り巻く様々な情報をご提供すべく取り組む所存ですので、
宜しくお願い申し上げます。



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