2016年 年頭の辞(要旨)

2016年1月5日

株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長 川崎博也

1. はじめに

~安全は絶対である~
明けましておめでとうございます。2016年の年頭にあたりまして、私の所信も含め、ご挨拶させて頂きます。昨年を振り返るにあたり、今年も安全について申し上げなければなりません。加古川製鉄所において、昨年3月に1名の方の尊い命を失う重大災害が発生しました。その後も休業災害が続いており、当社グループ全体として極めて憂慮すべき事態にあります。ものづくりの原点である安全に対して、我々全員が強い危機感を持たなければなりません。『安全は絶対である』と常々申し上げていますが、二度と同じ過ちを繰り返さないとの強い気持ちをもって、日々の業務にあたって下さい。

2. 昨年を振り返って

~ものづくり力の向上に資する盤石な土台固めを~
さて、去る2014年度の連結経常利益は1,016億円となり、2期連続で今中期経営計画の最終年度目標であった800~1,000億円を達成することができました。一方、2015年度は、連結経常利益が550億円と前期比で約半減する厳しい見通しです。外部環境の急激な変化、中でも中国経済の変調による建設機械の販売不振や輸出鋼材市況の低迷、原油安に伴う石油関連プロジェクトの延期による産業機械の受注環境悪化など、当社グループの事業は総じて強い向い風を受けています。
しかし、業績悪化は外部環境の変化に拠るものだけではなく、操業トラブルの発生による損失計上など、ものづくり力の向上にも課題が残されています。
2015年度もあと3ヶ月です。自ら取り組める目前の課題解決に注力し、2016年度からの新しい中期経営計画の土台を盤石なものとすべく、引き続き一致団結して取り組んで参りましょう。

3. 2016年度はどうあるべきか

~新中期経営計画のもと、『安定的に稼ぐ力』の向上を目指して~

2016年度は、「KOBELCO VISION“G”」の最終目標年度である2020年度までの5ヶ年を対象とした、新しい中期経営計画のスタートの年であり、素材系事業、機械系事業、電力供給事業を3本柱とした経営の確立」により、『安定的に稼ぐ力』を飛躍的に向上させることを大きな目標として定めます。

但し、新中期経営計画の最初の2年間は、2016年度には加古川製鉄所の高炉改修による一過性の減益が見込まれ、2017年度も消費税増税の反動による需要停滞が想定されるなど、当社グループにとって厳しい見通しが既に示されていることを覚悟しなければなりません。

しかし、将来の成長分野の捕捉や、コスト競争力の強化、安定収益基盤の確立を目的に、我々は着実に対策を講じています。新中期経営計画期間の後半には、電力プロジェクトの立ち上げも控えており、戦略的投資案件をスケジュール通り確実に進めていくことで、強靭な安定収益体質を有する企業へと発展することができると確信しております。

素材系事業では、鋼材事業の上工程集約プロジェクトが佳境へと差し掛かり、加古川製鉄所の高炉改修にも着手します。また、鞍山鋼鉄とのハイテンJVや、天津でのアルミパネル材工場については、垂直立ち上げに向け万全を期さなければなりません。

次に機械系事業では、グローバル展開を旗印に、油圧ショベルの北米拠点の立ち上げや、圧縮機事業強化に向けた工事を確実に推し進め、水素ステーション関連メニューについても、更にR&Dを強化し商品の差別化を図るなど、来るべき国内外の需要増加の捕捉に備えなければなりません。

電力供給事業では、本年から着工を予定する真岡発電プロジェクト、環境アセスメントの取得に取り組む神戸発電プロジェクトの両輪を確実かつ着実に遂行していくことで、第3の事業の柱たる地位を盤石なものとしていかなければなりません。

今後5年間の成果が、当社グループの将来を決するといっても過言ではなく、全員で目標への道筋を共有し、解決すべき課題に対し真正面から向き合い、乗り越えるための『行動』を起こしましょう。

当社グループは必ず成長できると信じ、引き続き私と共に歩んで頂くことを期待しております。

結びに、今年1年も、従業員の皆さんとそのご家族のご健康とご多幸を祈念して、私からのご挨拶とさせて頂きます。

(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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