Midrex社のカナダHBIプロジェクトに関するMOU締結について

2016年1月29日

株式会社神戸製鋼所

当社の米国子会社であるMidrex Technologies, Inc.(以下ミドレックス社)は、ミドレックス社の建設ライセンシーであるPrimetals Technologies (以下プライメタルズ社)と共に、Société Internationale Métallique社(以下、SIM社)との3社間で年産200万トンの還元鉄プラント建設に係る事前設計の覚書を締結しました。建設予定地はカナダ ケベック州 ベカンクール工業団地(Bécancour Waterfront Industrial Park)です。

還元鉄プラントのプロセスは天然ガスを還元剤として還元鉄を生産するMIDREX®方式が採用されました。SIM社は還元鉄をHot Briquetted Iron(HBI)の形で生産し、世界の製鉄会社に向けて販売する予定です。同プラントは2017年に建設を開始し、2019年から稼動の予定です。建設に当たってはミドレックス社及びプライメタルズ社が主要機器を納入し、別途選定される建設業者と連携しながらプロジェクトを推進する計画です。

建設予定地のベカンクール工業団地は、カナダ ケベック州のセントローレンス川沿いに位置する公営の工業団地です。水深の深い港湾や主要な鉄道、道路といったインフラが確保されており、原料となる鉄鉱石の搬入や製品となるHBIの搬出も容易です。還元剤についても、北米のシェールガスなど天然ガスの安定供給が期待でき、ビジネス環境が整った理想的な立地です。

MIDREX®方式は、世界還元鉄生産量(2014年は7,455万トン)の約63%を生産しているリーディングプロセスです。SIM社は、MIDREX®還元鉄プラントのこれまでの生産実績とMIDREX®方式の優れた技術およびプライメタルズ社のエンジニアリング能力を高く評価し、今回の覚書締結に至りました。ミドレックス社は、建設ライセンシーのプライメタルズ社と共に、本プロジェクトの実現に向けてSIM社をサポートして参ります。

ミドレックス社は、1983年に当社が買収し、以来還元鉄ビジネスのグローバル展開を共に進めて参りました。今後も当社グループにおける還元鉄ビジネスの柱としてグローバル展開を継続し、確実に商機を取り込むことで、受注量の確保と更なる成長に向けて取り組んで参ります。

(ご参考)

還元鉄とは

鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、高炉や転炉、電炉での鉄源として使用される。
還元鉄を成型機に投入して押し固めたものがホットブリケットアイアン「HBI」であり、輸送が容易である。

MIDREX法®とは

天然ガスを使用して還元鉄を製造する直接還元製鉄法のひとつ。鉄源は粉鉱を加工したペレットを使用し、シャフト炉によって直接還元鉄を製造する。
天然ガスを使用することによって、石炭を使用する高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を抑制することが出来る。

ミドレックス社

社名:
Midrex Technologies, Inc.
所在地:
米国ノースカロライナ州シャーロット市
代表者:
James D. McClaskey
資本金:
11百万USドル(100%神戸製鋼出資の連結子会社)

SIM社

社名:
Société Internationale Métallique (Canada) Ltée
所在地:
カナダ ケベック州モントリオール市
代表者:
Daubeny B. Cooper III
事業内容:
カナダにおける還元鉄プロジェクトの組成

プライメタルズ社

社名:
Primetals Technologies Limited
所在地:
英国 ロンドン
代表者:
山崎 育邦
事業内容:
製鉄機械全般に関する開発・設計・調達・製造・販売及びアフターサービス

HBI写真

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