当社グループにおける不適切行為について

(「安全性の検証状況」と「外部調査委員会の設置について」のご報告)

2017年10月26日

株式会社神戸製鋼所

このたびは、当社及び当社グループ会社(当社グループ)における不適切行為に関しまして、お客様、お取引先様、株主様そのほか多数の皆様に多大なるご迷惑をお掛けしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます。

当社グループでは、本年8月末にアルミ・銅事業部門での不適切行為(2017年10月8日の公表案件)が判明したことを受けて、本年9月より、2016年9月から2017年8月までの1年間に出荷した製品を対象に、「事業部門による自主点検」及び「本社部門による緊急監査」を実施してまいりましたが、10月25日に、さらに不適切行為が行われた疑いのある事案4件(当社機械事業部門コーティングサービス、神鋼造機(株)の鋳物および減速機、(株)コベルコ科研ターゲット事業本部の試作合金の外販および不適切行為の有無について確認が必要な案件1件)を除き概ね調査を終了したところです。【補足1】
当該自主点検及び緊急監査と並行して、不適合製品を使用したお客様の製品に関する安全性の検証をお客様のご協力を頂きながら実施してまいりました。本日、その安全性の検証状況及び外部調査委員会の設置についてご報告いたします。

1.不適合製品を使用したお客様の製品に関する安全性の検証状況について

(1)お客様での安全性検証における当社の取り組み

  • 当社が不適合製品を納入したすべてのお客様に対し、不適切行為について連絡させていただきました。
  • お客様には、不適合製品の対象明細、不適合であった検査項目、規格からの乖離の程度等を具体的なデータと共にご説明し、不適合製品を使用したお客様の製品に対する品質影響の確認や安全性についての確認を共に進めてまいりました。
  • 当社は、安全性確認のために、データの提供はもちろんのこと、製品へ及ぼす影響についての当社技術見解のご提供や、ご要望に応じて直接の納入先以外のお客様へのご説明の実施など、安全性確認に最大限の努力をさせていただいております。

(2)現時点(10月26日)でのお客様からの反応

  • 過去1年分を対象とした当社の自主点検で検出いたしました不適合製品を納入したお客様、また、直接の納入先以外のお客様の製品において、即時使用を停止する、または、直ちに製品を回収することが必要であると判明した事案は現時点において確認されておりません。

(3)安全性検証状況の分類

  • しかしながら、安全性の確認においては、最終顧客であるお客様への影響を慎重に確認するためにお客様において、現在も安全性の検証を進めていただいているケースや、サプライチェーンの裾野が広いため当社が納入した不適合製品のサプライチェーンの追跡及び使用された製品の安全性検証に時間を要しているケースもあるため、全ての製品に関する安全性の検証が完了した訳ではございません。
  • そこで安全性確認は、以下のレベルに分類しております。
    • [A] お客様にて、安全性確認を完了いただいたもの
    • [B] お客様にて、当面の問題はないと判断いただいていますが、さらなる検証を引き続き進めていただいているもの
    • [C] 当社が、技術的見解から高い確度をもって安全性が推認できると判断し、お客様にお伝えしているもの
  • 安全性確認の分類としては【表1】のようになります。当社が不適合製品を納入した525社中、437社について、レベル[A]から[C]の安全性確認が進んでおります。

【表1】

不正対象製品 会社名(公表日) 部材 主な用途 お客様数
(社)
[A]
お客様で安全性を確認済
[B]
お客様で当面の問題はないと判断
[C]
当社で安全確度が高いと判断
A~Cの合計
アルミ・銅 (株)神戸製鋼所
アルミ・銅事業部門
(2017年10月8日)
アルミ板 缶材
自動車
57 28 6 0 34
アルミ
鋳鍛造部品
航空機
鉄道車両
67 0 66 0 66
アルミ
押出品
自動車
鉄道車両
34 14 0 0 14
銅板 半導体
端子
38 3 0 0 3
(株)コベルコマテリアル銅管
(2017年10月8日)
銅管 空調 23 12 7 0 19
神鋼メタルプロダクツ(株)
(2017年10月13日)
銅合金管
モールド
電機、
製鉄機械
176 61 7 103 171
国内子会社1社,
海外子会社3社※1
(2017年10月13日)
銅管
銅板条
アルミ線材
空調
端子
36 19 3 14 36
その他 コベルコ科研
(2017年10月11日)
ターゲット材 FPD
光ディスク
70 70 0 0 70
(株)神戸製鋼所
鉄鋼事業部門
鉄粉本部
(2017年10月11日)
鉄粉 焼結部品 1 0 1 0 1
国内子会社等2社
海外子会社等2社※2
(2017年10月13日)
鋼線
ステンレス線
軸受、
ばね
22 22 0 0 22
神鋼鋼板加工(株)(2017年10月20日) 厚板加工 厚板加工品 1 0 1 0 1
合計 525 229 91 117 437
  • ※お客様数はのべ数。

  • ※1 神鋼アルミ線材(株)、Kobelco & Materials Copper Tube (Malaysia) Sdn. Bhd. 、
    Kobelco & Materials Copper Tube (thailand) Sdn. Ghd.、蘇州神鋼電子材料有限公司

  • ※2 日本高周波鋼業(株)、神鋼鋼線ステンレス(株)
    江陰法爾勝杉田弾簧製線有限公司、神鋼新确弾簧鋼線(佛山)有限公司

当社といたしましては、引き続き、早期に安全性検証を完了させるべく、お客様の検証に誠心誠意ご協力させていただく所存でございます。

2.外部調査委員会の設置について

(1)設立の経緯

当社は、当社グループにおける今回の不適切行為の発覚後、社内に「品質問題調査委員会(委員長川崎博也会長兼社長)」を設置し、自主点検、本社部門による緊急監査、外部法律事務所による不適切行為に係る事実関係の調査を実施してまいりました。
これらの自主点検・緊急監査及び事実関係に係る調査は10月25日にほぼ終了し、今後は、これまで実施してきた当社グループによる自主点検・緊急監査の方法・内容などについての適正性や妥当性の再検証、本件不適切行為の徹底的な原因の究明(直接的な原因のみならず、企業風土、コンプライアンスおよび組織運営体制の課題といった背景となる要因等を含みます。)と再発防止策の検討を開始いたします。
これらの再検証等を進めるにあたっては、自主点検の過程において妨害行為があったことも踏まえ、客観性・独立性を担保することが必要との観点から、外部委員のみで構成する「外部調査委員会」を10月26日付で設置することとし、この「外部調査委員会」を今後の調査の主体といたします。
「外部調査委員会」の委員には、これまでの調査に関与がなく当社と利害関係のない弁護士を選任することで、調査の客観性・独立性を担保いたします。

(2)外部調査委員会の目的

(3)外部調査委員会の構成

1. 委員長:
松井巌 元福岡高検検事長、弁護士
2. 委員:
山崎恒 元札幌高裁長官、元公正取引委員会委員、弁護士
3. 委員:
和田衛 元検事、弁護士

(4)調査期間、調査方法等

【補足1】自主点検及び緊急監査について

(1)自主点検及び緊急監査の概要
(2)自主点検と緊急監査の結果
  • 2017年8月から自主点検を始めておりましたアルミ・銅事業部門の不適切な行為を含めて、自主点検において複数の不適切な行為を確認し、既に公表しております。(溶接事業部門、エンジニアリング事業部門、電力事業部門、コベルコ建機では、問題はありませんでした)
  • これらに加え、さらに数件の不適切行為が行われた疑いのある事案4件(当社機械事業部門コーティングサービス(顧客数1社)、神鋼造機(株)の鋳物(顧客数1社<当社>)および減速機(顧客数1社)、(株)コベルコ科研ターゲット事業本部の試作合金の外販(顧客数最大8社<当社含む>))並びに不適切行為の有無の確認が必要な案件1件が判明しております。いずれも現時点では安全性上の問題は確認されておりませんが、これらについては、新たに設置する外部調査委員会に報告し、追加点検や調査を進めて行く予定としております。

【補足2】これまでの公表案件について

*は自主点検において判明した案件 ・は自主点検以外で判明した案件

関連リンク

 

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