2018年 年頭の辞(要旨)

2018年1月5日

株式会社神戸製鋼所
代表取締役会長兼社長 川崎博也

新年あけましておめでとうございます。2018年の年頭にあたりまして、私の所信を含めご挨拶させていただきます。

1. 昨年の振り返り

昨年、当社グループは、製品の品質に関わる不適切行為を引き起こしました。このことにより、お客様をはじめとして多くの方々に多大なるご迷惑をおかけしています。また、当社グループの社員の皆さんとそのご家族にも、大変なご心配とご苦労をおかけしています。品質に対してお客様と交わした約束内容を守らない行為は、ものづくりを生業とするメーカーとして絶対にあってはならないことであります。今回の不適切行為により、当社グループは長年にわたって積み上げてきたお客様の信用を失う事態へと陥り、かつてない厳しい目でお客様や世の中から見られています。

当社グループは、過去に幾度もコンプライアンスに関わる重大な不祥事を引き起こしてきました。私は昨年4月から各拠点を訪問し、当社グループの持続的な成長にはコンプライアンス遵守の精神が必要不可欠であり、それぞれの立場で常に感度を高くし、問題を起こさないためにはどうすべきかを考え、「行動」してほしいと強く要請してきました。しかしながら、いまだにコンプライアンス違反の連鎖を断ち切れていません。私を含む当社グループの全員がこのことを我がこととして真摯に受け止め、猛省する必要があります。

2. 本年の取り組み

本年は当社グループにとって、失った信頼を取り戻し、新しく生まれ変わるためのスタートの年となります。外部調査委員会からの最終報告を一つの節目として考えていた方も多いと思いますが、最終報告は2月末頃へと延期されました。現在進めている補充的点検は、我々の行った自主点検の網羅性・適正性・妥当性をより高めるための取り組みであると捉えていただきたいと思います。自主点検に万全を期すことで、当社グループは自信をもって信頼回復への一歩を踏み出すことができるのです。

また、組織面では1/1付けで本社に品質監査の専門機能として「品質統括部」を設置しました。各事業部門やグループ会社の品質保証部署と緊密に連携をとることで再発防止に総力を挙げていきます。更にガバナンス、マネジメント、プロセスといった観点による再発防止策を検討中ですが、これを実行していくことで、単に足下の対策に止まらない高いレベルの品質保証体制を有した企業体へと生まれ変わります。

次に、安全についてですが、「安全は、全てに優先し絶対である」という断固たる決意の下、あらゆる対策を講じていく所存です。

最後に、中期経営計画「KOBELCO VISION“G+”」についてです。本年は、2020年度までの5年間の計画において中間年となりますが、素材系事業、機械系事業、電力供給事業を3本柱とする成長戦略を進めていくという従来からの方向性は、些かも変わりありません。中期経営計画で掲げた諸課題を粛々と実行し、当社グループのさらなる成長・発展に繋げていきたいと考えています。

3. おわりに

今回の不適切行為により、当社グループは大きな危機に直面しています。しかしながら、この難局を乗り越えてグループの結束力を高めることができれば、当社グループはさらに成長し、社会に対してもっと貢献できると確信しています。今こそ、全員で結束し当社グループを真に誇れる会社へと変えていきましょう。私が申し上げてきた「誇り、自信、愛着、希望」を感じられる会社に必ずや生まれ変われると信じています。我々は失った信頼を何としても再び獲得しなければなりません。そのためには自分に「誠実」、そして、お客様をはじめとしたあらゆるステークホルダーの方々に対しても「誠実」あるのみです。

結びに、今年1年も社員の皆さん、並びにそのご家族の方々のご健康とご多幸を祈念して、私からのご挨拶とさせていただきます。

(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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