MIDREX®プラントの累計生産量10億トン達成

2018年7月3日

株式会社神戸製鋼所

米国の当社100%子会社であるMidrex Technologies, Inc.(以下 ミドレックス社)は、先月、同社独自の直接還元鉄製鉄法であるMIDREX®プラントによる還元鉄(DRI)※1の累計生産量10億トンを達成しました。

ミドレックス社は、1969年に米国オレゴン州ポートランド市のオレゴン・スチール・ミルズ社(当時)向けに初号機を納入して以来、38年かけて2007年に累計生産量5億トンを達成しました。その後、炉の大型化もあり、それから僅か11年で残りの5億トンを達成した事になります。

2017年末時点でMIDREX®プラントは、世界で約6000万トン/年の生産量を有し、更に現在建設中のプラントも含めると、2020年には7500万トン/年まで増加する見通しです。また、このままの増加率で推移すれば、2030年頃には累計生産量20億トンを達成する見通しです。

スティーブン・モンタギュー社長兼CEOは今回の生産量達成について「2017年の生産実績が2016年比で2割増と大幅増加したことに続き、今回このような生産量達成をご報告出来てとても嬉しいです。今回の達成は、当社技術への信頼性だけでなく、プラントオーナー様や操業に関わる方の優れた運営ノウハウの賜物です」と述べています。

ミドレックス社は直接還元鉄製鉄法のエンジニアリングサービス事業を営み、当社が1983年に買収しています。MIDREX®プラントは、世界の還元鉄製鉄法の中で約65%を占めるリーディングプロセスです。本方式は、天然ガス(もしくは石炭由来のガス)を還元剤として、鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用しシャフト炉によって還元し、還元鉄を製造します。高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を抑制できることなどが特長で、世界で78基(2018年5月時点)が稼動しています。

ミドレックス社は、今後も当社グループにおける還元鉄ビジネスの柱として更なる成長を続けて参ります。

※1:還元鉄(DRI: Direct Reduced Iron)
鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として主に電気炉で(近年は高炉や転炉でも)鉄源として使用される。

Midrex Technologies, Inc.概要

設立:
1983年(買収)
所在地:
米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代表者:
Stephen Montague(スティーヴン・モンタギュー) 社長兼CEO
従業員:
約180人(2017年末時点)

還元鉄(DRI)

還元鉄(DRI)

1969年オレゴン・スチール・ミルズ社向け初号機

1969年オレゴン・スチール・ミルズ社向け初号機

2017年より稼働中のvoestalpine社米国向け納入機

2017年より稼働中のvoestalpine社米国向け納入機

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