「全蒸気回収ガスエンジンコージェネレーションシステム」が一般社団法人日本ガス協会主催「技術賞」を受賞

2019年7月22日

株式会社神戸製鋼所

東京ガス(株)、三菱重工エンジン&ターボチャージャ(株)、三浦工業(株)、当社の4社が2015年に開発したガスエンジンの廃温水を蒸気として回収する「全蒸気回収ガスエンジンコージェネレーションシステム」が、一般社団法人日本ガス協会が主催する2019年度「技術賞」を受賞しました。本システムは発電効率と蒸気回収効率を合わせた総合効率で世界最高を達成しています。今月17日に都内のイイノホールにて授賞式が執り行われました。

賞の概要

1986年から開催され、ガス事業の発展に顕著な功績のあった独創性や発展性に富む画期的な技術を表彰するもので、技術大賞と技術賞があります。

受賞製品の概要

コージェネレーションシステムは、ガスエンジンで発電機を駆動して発電し、同時にガスエンジンの排気ガスや冷却水が有する廃熱を蒸気や温水として利用するもので、オフィスビル、ホテル、工場等で広く導入されています。その中でも、中・大型規模のシステムを導入することが多い工場においては、蒸気は加熱や殺菌等の生産工程に幅広く利用が可能な一方で、温水は利用先が限定されるため全てを使い切れない事があり、そういったケースでは省エネ、CO2削減メリットの低下がシステム導入の大きなハードルとなる事がありました。
その様な中、本システムはこれまで各社それぞれが市場投入している製品をベースに組み合わせる事で、ガスエンジンの廃熱を温水から蒸気に効率よく変換し利用することを可能にしました。この結果、本システムは排ガスボイラのみから蒸気を回収する場合と比べ、蒸気回収量が1.5倍以上に増加し、発電効率と蒸気回収効率を合わせた総合効率で世界最高となる約71%を達成しました。(下図)

電効率と蒸気回収効率を合わせた総合効率で世界最高となる約71%を達成しました

具体的には、より多くの蒸気を回収するために、従来よりも廃温水の温度を高く設定した「高温化仕様ガスエンジン」(三菱重工エンジン&ターボチャージャ(株)製)と、廃温水を効率よく低圧蒸気に変換する「廃温水熱利用蒸気発生装置」(三浦工業(株)製)、及び、変換された低圧蒸気を工場の生産工程で利用可能な圧力まで昇圧する「スクリュ式小型蒸気圧縮機」(当社製)を組み合わせました。また、組み合わせにおいては、高温化仕様ガスエンジンの改良やシステムとして効率よく稼働するための制御開発等を行いました。

各社は今後もコージェネレーションシステムの開発、活用等による更なる省エネ、CO2削減を目指して参ります。

システムフロー図

システムフロー図

授賞式の様子

授賞式の様子

中央4名の内、向かって1番左が当社機械事業部門冷熱・エネルギー部エネルギー室長 角 正純

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