今治造船(株)建造の大型コンテナ船への当社船舶用製品の採用について

2020年4月23日

株式会社神戸製鋼所

このほど、今治造船(株)が建造する11,000TEU※1大型コンテナ船シリーズ(2021年1月、初号機竣工予定)に、当社船舶用製品(エンジン回りの部品である「クランク軸」と「中間軸」※2)が採用されました。

近年、船舶業界では環境問題へ対応するために、船舶から排出されるNOX、SOX、CO2等に高い排出規制が課されるなど環境規制が進み、燃費向上や、環境機器等のスペース確保のため、搭載する各機器・部品においては、軽量化・短尺化が求められています。

今回採用された製品では、従来品と比較し、クランク軸の全長を約6%(1m)短尺化し、重量は2製品それぞれ約10%(計、約40トン)軽量化しています。
クランク軸においては、従来は製造設備の制約などから2本のクランク軸をボルトで1本に結合する「結合型」※3と呼ばれる構造でしたが、結合部位がある分、大型化していました。今回新たに、本船向けのエンジンを製造する(株)三井E&Sマシナリーと共同で「結合型」クランク軸を1本で製造する「一本型」クランク軸を開発し、新たな生産技術を確立すると共に設備投資することにより、製造可能となりました。
一方、中間軸については、従来の炭素鋼と比較し軸径の低減により軽量化させた高強度中間軸が採用されました。本製品は14年に開発し世界統一規則(IACS)として採択されています。仮に、本製品を世界の全ての舶用エンジンに適用した場合、一定の条件で試算すると、燃料油の削減量は年間3 万キロリットル、CO2 削減量は8 万トン/年に相当します。

当社は、今後も船舶の信頼性・性能向上、対環境性向上に繋がる船舶部品の技術開発に継続して取り組み、海事産業の発展に寄与して参ります。

ご参考:当社、船舶用鋳鍛鋼事業について

組立型クランク軸で世界シェア40%、中間軸・推進軸で国内シェア80%を有するなど、本分野のトップメーカーです。高強度部材の開発による船舶の軽量化に貢献しています。

※1:TEU
20フィートコンテナ1個分を1TEUとしたコンテナ搭載量の事です。

※2:クランク軸と中間軸
クランク軸はエンジンで発生させた往復運動を回転運動へ変換する部品です。中間軸はその動力をスクリューへ伝える部品の一部です。

クランク軸と中間軸


※3:従来の結合型(上図)と一本型(下図)クランク軸の比較
結合型(上図)内、赤色部が結合部となりますが、今回開発した一本型(下図)ではその分が短尺化されています。

クランク軸の比較


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