加古川製鉄所 第3CGLの営業運転開始について

~自動車用ハイテン鋼板の供給体制強化~

2021年3月25日

株式会社神戸製鋼所

当社は今月より、加古川製鉄所薄板工場において、第3CGL(溶融亜鉛めっきライン:Continuous Galvanizing Line)の営業運転を開始しました。本設備は、自動車用超ハイテン鋼板※1の需要拡大を見据えた生産能力の拡大と生産性向上、また将来的な更なる高強度化、高加工性ニーズへの対応を実現可能とする設備です。今後お客様である自動車メーカーと量産に向けた材料承認を進めて参ります。

自動車メーカーは、世界的に高まる燃費規制と衝突安全基準の厳格化への対応のため、「車体の軽量化と高強度化」を推進しており、それらに資する自動車用ハイテン鋼板の需要拡大、並びに機能向上へのニーズは今後更に高まっていくと想定されます。

今回新設した第3CGLは、冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板兼用製造ライン※2であり、最新鋭の熱処理機能を有することで、お客様のニーズに即した冷延および溶融亜鉛めっきの高加工性超ハイテン鋼板※1の生産が可能となります。また、付帯設備として新設したリコイラー※3は、特に1470Mpa以上の超ハイテン鋼板について、従来以上に良好な平坦度を有する製品のご提供が可能になるなど、更に品質の高い鋼板の製造が可能となります。

当社は自動車向け板材の分野において、鉄鋼とアルミ事業で供給体制を強化しています。鉄鋼事業では、日本(加古川製鉄所)、米国(PRO-TEC Coating Company:プロテック社※4)、中国(鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司※5)にて自動車用ハイテン鋼板を生産しています。今回の第3CGLの稼働により、プロテック社の新CGLと合わせて、日米中3極での高加工性超ハイテン鋼板の同時生産が可能となりました。

一方、アルミ事業では、日本(真岡製造所)、中国(神鋼汽車鋁材(天津)有限公司)にて自動車アルミパネル材を生産しています。真岡製造所においては、約200億円を投資し、製造設備を増強しており、現在、お客様と量産に向けた材料承認を進めております。

現在、全世界においてカーボンニュートラルへ向けた動きが加速する中、グリーン社会の実現に貢献できる技術・製品・サービスを一日も早く開発、確立することがKOBELCOグループの使命です。当社は、今後も品質に優れたハイテン鋼板の製造、供給を通じて、燃費向上やCO2削減に繋がる自動車の軽量化、及び安全性に優れた自動車の高強度化に貢献して参ります。

設備概要

投資額:
約500億円
生産能力:
年間24万トン
対象設備:
【新設】連続焼鈍設備・リコイラー・その他付帯設備
【増強】PTCM設備※6、構内物流設備
稼働開始:
2021年3月
主要製品:
自動車用超ハイテン鋼板(冷延および溶融亜鉛めっき)
  • ※1 超ハイテン鋼板:強度(TS)≧780Mpa
    高加工性超ハイテン鋼板:超ハイテン鋼板の内、加工性に優れた薄鋼板。

  • ※2 冷延鋼板と溶融亜鉛めっき鋼板、製造する品種によって、通過工程を切り替える。冷延鋼板製造時は、連続焼鈍設備にて熱処理を実施する。また、溶融亜鉛めっき鋼板製造時は、連続焼鈍の後、めっき設備にてめっき処理を実施する。

  • ※3 リコイラー:コイル状に巻き取られた鋼板を巻き戻し、平坦度矯正や、お客様のご要望の幅・長さに切断加工し、巻き取る設備。

  • ※4 米国United States Steel Corporationと当社の合弁企業。北米におけるハイテン鋼板生産拠点。

  • ※5 鞍山鋼鉄集団公司の有力子会社である鞍鋼股份有限公司と当社の合弁会社。中国におけるハイテン鋼板生産拠点。

  • ※6 酸洗および冷間圧延の連続ライン。

第3CGL建屋外観

第3CGL建屋外観

代表取締役副社長執行役員 柴田 耕一朗

神事:代表取締役副社長執行役員 柴田 耕一朗

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