アルジェリアAlgerian Qatari Steel向けMIDREX®直接還元鉄プラントの生産開始について

2021年4月14日

株式会社神戸製鋼所

米国の当社100%子会社であるMidrex Technologies, Inc.(以下ミドレックス社)と、ライセンス供与先であるPaul Wurth S.A.(以下 PW社)のコンソーシアムが、2016年に受注したアルジェリアのAlgerian Qatari Steel(以下 AQS社)のベラーラ地区製鉄所向けMIDREX®プラント(生産能力:250万トン/年)がこの度完成し、先月より還元鉄(DRI)※1の同社電気炉への投入を開始しました。

本製鉄所は、アルジェリアの首都アルジェから約400km東にあるベラーラ地区にありMIDREX®プラントで生産した還元鉄を用いて、同製鉄所内の電気炉で溶解し、連続鋳造機・圧延機にて約200万トンの棒鋼・線材が生産される予定です。

今回の設備の特長は、MIDREX®プラントと電気炉間を接続し、還元鉄排出時の温度を保ったまま次工程の電気炉へ輸送することで、省エネ性と生産性に優れたプロセスとなることです。本プラントから還元鉄を供給することで、同製鉄所での高品質な鉄鋼製品の生産に寄与する事ができるものと考えています。

MIDREX®プロセスは、天然ガスを使った還元鉄製鉄法であり、世界の約80%(還元鉄全体では約60%)を占めるリーディングプロセスです。本方式は、天然ガスを還元材として、鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用しシャフト炉によって還元し、還元鉄を製造します。高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を抑制できることなどが特長で、世界で90基以上が稼動しています。

現在、全世界においてカーボンニュートラルへ向けた動きが加速する中、技術・製品・サービスによって、グリーン社会の実現に貢献することが、KOBELCOグループの使命です。

これまでもこれからもKOBELCOグループは「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」の実現に向け、「個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづけ」ます。

  • ※1:還元鉄(DRI: Direct Reduction Iron)
    鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。炉内で還元したDRIを、冷却せずに炉から排出したものを、Hot DRI(HDRI)、冷却したものをCold DRI(CDRI)という。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、電気炉で(近年は高炉や転炉でも)鉄源として使用される。

Midrex Technologies, Inc.概要

設立:
1983年(買収)
所在地:
米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代表者:
社長・CEO Stephen Montague

Paul Wurth S.A.概要

設立:
1870年
所在地:
ルクセンブルク大公国 ルクセンブルグ市
代表者:
CEO Georges Rassel

※ PW社は、2014年2月に当社からMIDREX®プロセスを活用した直接還元鉄プラントの設計、建設及び、マーケティングのライセンス供与を受けている。

AQS社ベラーラ地区製鉄所内のMIDREX<sup>®</sup>プラント

AQS社ベラーラ地区製鉄所内のMIDREX®プラント

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