アルジェリアにおけるMIDREX® 直接還元鉄プラントについて

~2021年のDRI生産量は過去最高を達成。さらに2号機プラントも受注~

2022年3月1日

株式会社神戸製鋼所

米国の当社100%子会社であるMidrex Technologies, Inc.(以下ミドレックス社)と、ルクセンブルクのエンジニアリング会社Paul Wurth S.A.(以下PW社)のコンソーシアムが、トルコのTosyali Holding傘下のTosyali Algerie社(以下トスヤリ社)より2015年に受注し、2018年11月に生産を開始したMIDREX®直接還元鉄(※1)プラント(以下1号機)において、2021年のDRI生産量が過去最高の228万トンに達しました。これはプラント一基あたりの年間DRI生産量としては、世界トップの水準となります。加えて、同コンソーシアムにて、2021年7月に新たにMIDREX®直接還元鉄プラント(以下2号機)を受注しました。

1号機、2号機共に、トスヤリ社がアルジェリア北西部のオラン市近郊で操業中の一貫製鉄所向けです。1号機はアルジェリア初の直接還元鉄プラントであり、本格稼働から2年目の2020年に続いて、2021年も過去最高の世界トップ水準の生産量を達成しました。
このように1号機が順調に稼働する中、2号機を受注しました。生産能力は250万トンで、還元鉄排出時の温度を保ったまま次工程の電気炉へ輸送する省エネ性、生産性と環境負荷低減に優れたプロセスを採用しています。現状は天然ガスをベースとした改質ガスを還元剤としていますが、将来的にはより多くの水素を還元材として使用することも視野に入れた設計となっています。

MIDREX®プロセスは、天然ガスを使った還元鉄製鉄法であり、世界の還元鉄生産の約80%(天然ガスベースの直接還元鉄)を占めるリーディングプロセスです。本方式は、天然ガスを改質した水素リッチガスを還元材として、鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用しシャフト炉によって還元し、還元鉄を製造します。高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を20~40%削減(「還元鉄・電炉」と「高炉・転炉」の比較)できることなどが特長で、世界で80基以上が稼動しています。
また、MIDREX®プロセスは、経済的・大規模な水素利用が可能になれば、大きな設備改造なくカーボンニュートラルへの対応が可能という特長を有しています。カーボンニュートラルへの移行や社会変革がグローバルで明確な潮流となっている中、KOBELCOグループはMIDREX®プロセスを通じて、世界の鉄鋼業におけるカーボンニュートラル達成に向けた、CO2削減ソリューションを提供してまいります。

当社グループは、今後も技術・製品・サービスの提供を通じた新たな価値創造による社会課題解決に貢献することで、お客さまや社会にとって“かけがえのない存在”としてあり続けるとともに、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。

  • ※1:還元鉄(DRI:Direct Reduced Iron)
    鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。炉内で還元したDRIを、冷却せずに炉から排出したものを、Hot DRI(HDRI)、冷却したものをCold DRI(CDRI)という。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、電気炉で(近年は高炉や転炉でも)鉄源として使用される。

アルジェリア・オラン市のTosyali Algerie製鉄所

アルジェリア・オラン市のTosyali Algerie製鉄所

Midrex Technologies, Inc. 概要

設立:
1983年(買収)
所在地:
米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代表者:
社長・CEO Stephen Montague

Paul Wurth S.A. 概要

設立:
1870年
所在地:
ルクセンブルク ルクセンブルク市
代表者:
CEO Georges Rassel

Tosyali Holding 概要

設立:
1952年
所在地:
トルコ イスタンブール
代表者:
CEO Suhat Korkmaz

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