日本理化学工業(株)向けに積層型多流路反応器(SMCR)を納入・運転開始

2022年6月29日

株式会社神戸製鋼所

当社はこのほど、日本理化学工業(株)向けに積層型多流路反応器(製品名:SMCR Stacked Multi-Channel Reactor)を納入し、運転を開始しました。納入したSMCRは、医薬品原料・中間体※1の商業用向け連続生産プロセスにおける反応器として使用されます。

1.SMCRについて

SMCRは、当社の50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する技術を活かし、2012年に開発した小型反応器の一種です。特長は、ステンレスのプレートに幅1~2㎜の微細な流路を加工・積層し、拡散接合※2をすることで、流路の本数を増やし、コンパクトでありながら、工業規模での大容量生産に対応可能とした点です。その特長から、近年、連続生産の商業生産用の反応器として注目を集めており、国内外で主にバルクケミカル・ファインケミカル※3・医薬品分野への適用が検討されています。

2.今回の採用について

従来、医薬品・ファインケミカル分野の製造プロセスにおいては、医薬品製造における世界的なガイドラインが推奨していた「バッチ生産」が主流でした。これは、各工程が独立し、1つの工程が終了すると生成物を全て取り出して次の工程に移るものでしたが、近年は省エネルギー性や生産効率の観点から、「連続生産」が志向されています。一方で、連続生産に対応可能な大容量の機器が無い等の課題から、商業生産に移行しているケースは極めて稀です。このような中、日本理化学工業(株)では連続生産方式を積極的に導入されており、今回、SMCRの特長である大容量で高効率、かつコンパクトである点を評価頂いたことで、採用に至りました。

KOBELCOグループは、今後も「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」を実現するために、個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづけます。

※1:中間体
初原料と原薬の間にある製品

※2:拡散接合
溶接など接合方法の一種。材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧する事で、原子レベルで結びつける接合方法。一般的な溶接とは違い母材を溶かす事なく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の接合に適する。

※3:バルクケミカル・ファインケミカル
バルクケミカル :標準的な化学反応によって大量生産される化学製品
ファインケミカル:多品種少量生産で加工度が高く、複雑な構造をもつ化学製品

納入したSMCR外観

納入したSMCR外観

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