ダウ社向け樹脂混練造粒装置の受注について

2024年3月26日

株式会社神戸製鋼所

当社は、ダウ(Dow)社より、樹脂混練造粒装置“LCM560”(以下、本装置)を受注しました。ダウ社はカナダのアルバータ州にてフォート・サスカチュワン・パス・ツー・ゼロ(Fort Saskatchewan Path2Zero)プロジェクト※1を計画しています。ここでは世界初となるスコープ1,2のCO2排出量ネットゼロの統合型エチレンクラッカー※2を建設予定です。本装置は2024年度末頃に当社高砂製作所より出荷する予定で、統合型エチレンクラッカーにおいてポリエチレン生産用基幹設備として使用されます。

樹脂混練造粒装置は、石油化学コンビナートなどの樹脂生産ラインの後工程に設置され、ポリエチレンやポリプロピレンなどの各種プラスチック材料を米粒大のペレットに加工する装置であり、24時間連続で稼働する化学プラントの心臓部と言える重要機器です。当社の樹脂用混練造粒装置は年間8,000時間の連続使用が可能な耐久性と高生産性が特長で、1980年上市後、世界各国のお客様向けに約300台の装置を納入しております。ポリエチレンの生産に適したミキサーの高い混練性能と、ミキサーとギアポンプシステムを組み合わせた省エネルギー性は世界中のお客様より高い評価を頂いており、ポリエチレン用樹脂混練造粒装置の世界シェアは50%以上を有します。また、2018年に米国テキサス州ヒューストンにおいて、北米既納機を対象としたアフターサービス事務所を設立し、北米地域のお客様に対しタイムリーな技術サポートを提供しています。

ダウ社からは、こうした当社製装置の高混練性能と省エネルギー性、ならびに北米地域におけるアフターサービス体制が高く評価され、今回の受注に至りました。当社は、ダウ社の脱炭素化に向けた先進的なプロジェクトの成功のために全面的に協力し、ポリエチレン用混練造粒装置のリーディングメーカーとして、樹脂混練造粒装置を通じた石油化学の脱炭素化の取り組みに貢献していく予定です。

KOBELCOグループは、今後も技術・製品・サービスの提供を通じた新たな価値創造により社会課題解決に貢献することで、お客さまや社会にとって“かけがえのない存在”としてあり続けるとともに、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。

樹脂混練造粒装置“LCM560” (イメージ図)

樹脂混練造粒装置“LCM560” (イメージ図)

  • ※1 プロジェクト概要:
    ダウ社が計画する本プロジェクトでは、カナダのアルバータ州フォート・サスカチュワンでスコープ1,2のCO2排出量をネットゼロにする既存クラッカーの改修に加え、エチレンクラッカーが新設されます。エチレン、およびその誘導体であるポリエチレンの生産能力を段階的に増加させる計画であり、第1段階は年間約128万5千トン、第2段階ではさらに年間約60万トン増強するものです。

    同社の新しい生産プロセスにおいて、エチレンクラッカーからの排出ガスを水素へ転換しクリーンな燃料としてエチレンの生産に利用するとともに、排出されるCO2を施設内で回収・貯蔵することで、現在のCO2排出量を年間約100万トン削減すると同時に、工場の生産能力の追加による排出量増加分を削減します。

    本プロジェクトは同社が世界に保有する生産設備からの温室効果ガス排出量を2030年までに正味約30パーセント削減する目標(2005年比)の達成に向けた重要な取り組みの一つです。

スコープ1:
事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
スコープ2:
他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  • ※2:天然ガスに含まれるエタンを原料としてエチレンなどの化学材料を生産する装置

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