「第65回 田宮賞」の表彰について

2024年4月17日

株式会社神戸製鋼所

当社は、「第65回 田宮賞」の受賞案件を以下の通り選定し、4月16日(火)に神戸本社で授賞式を執り行いました。

「田宮賞」は、当社の第5代社長 田宮嘉右衛門※1の遺徳と事績を永く記念するため、当社およびグループ各社などの中から会社の業績や社会に大きく貢献した技術・製品・活動について表彰するものです。この取り組みは1960年より実施されており、今年で65回目を迎えました。

※1 田宮嘉右衛門(1875年生~1959年没)について
神戸製鋼の生みの親にあたる合名会社鈴木商店に入社。同社が1905年に小林製鋼所を買収し「神戸製鋼所」に改めた際に、支配人に就任した。その後、1911年に(株)神戸製鋼所が発足した際、常務取締役に就任し、1934年から1945年まで第五代目の社長を務めた当社育ての親である。

金賞:
(株)神戸製鋼所 機械事業部門
テーマ
「LNG船用圧縮機事業体制の確立」
  • 概要
(株)神戸製鋼所機械事業部門では、非汎用圧縮機のLNG 船市場参入を目的として2014年に高圧竪型レシプロ圧縮機※2を開発し、2016年に油冷式スクリュ圧縮機と併せてLNG船向けに初受注※3を果たした。これまでに、LNG船用圧縮機は、高圧竪型レシプロ圧縮機・油冷式スクリュ圧縮機合わせて約100台を納入、現在も約80台を製作中と継続的な受注を実現しており、機械事業部門の安定収益源に成⾧した。当社はLNG船用スクリュ圧縮機・レシプロ圧縮機を一社で供給できる唯一のサプライヤーとして、競合他社との差別化に成功している。
  • 評価のポイント
本事業は、安定的なLNG 大量輸送の一翼を担うことにより、エネルギートランジション・環境課題解決に貢献することができ、当社グループのマテリアリティの一つである「グリーン社会への貢献」の実現に寄与する。またカーボンニュートラルを機会ととらえ、成⾧市場 に参入し、事業を着実に成⾧させたことも評価され、金賞を受賞した。
  • ※2 圧縮方式により主にレシプロ式、スクリュ式、ターボ式がある。

       レシプロ式:
    車のエンジンの様にシリンダー内をピストンが往復する事によりガスを圧縮する。主に高圧小容量用途。
       スクリュ式:
    オス、メス2本のスクリュロータで空間を狭める事によりガスを圧縮する。主に中・高圧中容量用途。
       ターボ式:
    インペラ(羽根車)で回転エネルギーを与える事によりガスを圧縮する。主に低圧大容量用途。

LNG船

LNG船

当社圧縮機

<LNG船用スクリュ圧縮機>

LNG船用スクリュ圧縮機

<LNG船用レシプロ圧縮機>

LNG船用レシプロ圧縮機

銀賞:
シンフォニアテクノロジー(株)
テーマ
「工程モニタリングによる品質管理を世界で初めて実現した閉鎖系自動細胞培養装置の開発」
  • 概要
シンフォニアテクノロジー(株)は世界初の「工程モニタリングによる品質管理(QbD:Quality by Design)」を実現した独自の自動細胞培養装置「CellQualia(以下、本装置)」を公益財団法人 神戸医療産業都市推進機構と共同で開発した。現在、細胞医薬品など再生医療等製品の製造は、高度な熟練者の手作業に頼っており、出発材料※4である細胞等の品質ばらつき等から、出荷毎に最終製品の破壊検査で品質確認が必要である。本装置は、「培養の工程全体を品質管理の対象として常に監視しながら製造し、製品の品質は工程の質で担保する」というQbDの考えを業界で初めて取り入れた装置で、細胞医薬品を全自動で製造・供給することが可能である。
  • 評価のポイント
本装置は、英国のUKSCB※5により約1年間の外部評価を行い、熟練者による手作業と同品質の安定した細胞医薬品が製造できることが示されている。再生医療分野という過去に経験のない分野で新規事業を立ち上げた挑戦的な取り組みであることも評価され、銀賞を受賞した。
  • ※4 出発材料:最終製品の出発点となる材料のこと。

    ※5 UKSCB(UK Stem Cell Bank):英国を代表する公的幹細胞バンク(幹細胞を増やし広く配布する機関)。英国医薬品・医療製品規制庁(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency)の下部組織。

LNG船

自動細胞培養装置「CellQualia」

表彰式の様子

勝川社長 祝辞

勝川社長 祝辞

第65回田宮賞授賞式 授与

金賞授与

(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。

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