2025年2月27日
株式会社神戸製鋼所
当社の船舶海洋産業向け超低温水素用レシプロ圧縮機ユニットにおいて、一般財団法人日本海事協会(=ClassNK)より「Statement of Feasibility for Technology Qualification※1」を2月14日に発行いただきました。
当社は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた事業の一つとして、水素用圧縮機市場における新用途への展開を目指しており、その中で、超低温水素を吸込・圧縮できるレシプロ圧縮機の設計に取り組んでまいりました。これまで、常温水素用及び超低温LNGボイルオフガス用圧縮機等の納入実績は多数ありますが、超低温水素向けは新用途となります。
液化水素の輸送・貯蔵関連施設向け等を中心に需要拡大が見込める超低温水素用レシプロ圧縮機には、使用材料の水素脆化・低温脆化、機器・配管に生じる大きな熱応力、水素ガス漏洩等の課題への対応が求められます。
今回、そうした課題解決に向けた検討を進め、ClassNKの「技術認証ガイドライン」に規定される全4段階の技術認証プロセス※2のうち、第2段階の「技術要素の分析」まで完了した旨の鑑定書を発行いただくことができました。
本認証においては、ClassNK・本圧縮機の仕向け先企業・当社の3者からなる認証チームのもと、使用材料の超低温水素環境への適合性に関する材料試験や、認証活動を進めるために必要となるさまざまな課題・前提条件の洗い出し、リスク評価などが実施されました。
これらの結果として、当社超低温水素用レシプロ圧縮機ユニットの安全性/信頼性について認証チーム内で第2段階の合意形成がなされたことにより、今回、鑑定書を発行いただくことができました。これにより、同ユニットをお客様によりご安心して採用いただけるものと考えております。
KOBELCOグループは今中期経営計画(2024~2026年度)において、「魅力ある企業への変革」を取り組むべき目標に掲げており、これを実現するための変革「KOBELCO-X」を推進しています。今回の取り組みは以下のGXの一例と考えています。
また、当社グループは今中期経営計画(2024~2026年度)の最重要課題の一つに「カーボンニュートラル(CN)への挑戦」を掲げており、本件もこれに資するものと考えております。今後も新たな技術の活用による、船舶海洋産業及び陸上の水素関連プラント向けへの超低温水素用レシプロ圧縮機ユニットの供給を通して、社会課題の解決に寄与していくとともに、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。
※1:Statement of Feasibility for Technology Qualification
「技術認証ガイドライン(第1.0版)」に準拠していることを示す鑑定書。技術認証(=Technology Qualification)により、ClassNKにおいて既存の船舶向け規則の適用範囲外となる新しい技術について、申請者から提案された仕様を満足することが、合意された計画に基づく試験等を通じて確認・証明される。本件では、全4段階中第2段階まで完了したことが示されている。
※2:技術認証プロセス:Technology Qualification Process
技術認証プロセスの全4段階は以下のとおり。
(注記)プレスリリースの内容は発表時のものです。販売がすでに終了している商品や、組織の変更など、最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。