全固体電池スタートアップへの資本参加について

2025年3月25日

株式会社神戸製鋼所

当社 機械事業部門(以下「当社」)はこの度、次世代の電池として期待される全固体電池※1の開発を手掛けるLASAGNA.ONE INC※2.(所在地 : 米国カリフォルニア州・サンノゼ、以下「LO社」)に資本参加しました。

LO社の全固体電池は、シンプルな構造による電池セルの高電圧化、急速充電、広い温度範囲での安定作動などの特徴を有し、2023年には単セル構造での400Vの電池実証に成功しました。これを足掛かりに新たな資金調達のもと、将来の量産を見据えた新規設備投資により革新的な全固体電池の開発を加速させる計画です。

当社 機械事業部門では産業機械や圧縮機、エネルギー機器など幅広い製品・技術を有していますが、全固体電池製造分野においては、樹脂やタイヤなどの材料混練に関する装置や材料の積層・接合に重要な加圧工程を実現する等方圧加圧装置※3などの技術・製品を有しております。これら技術・製品に加えて当社技術開発本部やグループ会社などが有する知見も活用していくことで、LO社の革新的な全固体電池の早期社会実装に貢献できると考えています。

KOBELCOグループは多様な事業で培われた技術・人材・ノウハウ等の【社内資本】と、多岐に亘るお客様・パートナーとの繋がり等の【社外資本】のかけ算による「KOBELCOらしさ」を追求し、マテリアリティ(中長期的な重要課題)への取組みをさらに強化していくことで、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指してまいります。

  • ※1 全固体電池
    従来型の液系電池は正極、負極、これらを隔てるセパレータと電解液(電解液+電解質塩)で構成されていますが、電解液を固体材料に置き換え、構成材の全てを固体とした電池が「全固体電池」です。出力(電気自動車では走行距離)、寿命、安全性等の点で、電解液を使用する電池を超える特性を持つことが期待されていますが、実用化に向けては克服すべき様々な課題が存在しています。

  • ※2 LASAGNA.ONE INC.
    同社は、シリコンバレーに本社を構え、全固体電池の開発・製造を行うスタートアップです。全固体電池の強みを最大限に活かし、従来のリチウムイオン電池では実現が難しい電池構造や特性の追求に取り組んでいます。固体内におけるイオンの動きを活用することで、数分レベルの急速充電や広範な温度範囲における性能の安定性が期待されます。これにより、リチウムイオン電池よりもさらに幅広い環境や用途で使用可能な電池の開発を進めています。
    さらに、独自の電池構造により、12V、48V、さらには400Vを出力する電池の実証にも成功しています。
    これらの技術を通じて、新たな電池の活用方法を提案します。

  • ※3 等方圧加圧装置
    等方圧加圧装置は、金属やセラミック、カーボンなどの素材を高圧・高温(又は常温)環境下において等方圧で加圧焼結または成形する装置であり、航空機部品や発電用タービンブレード、半導体関連素材などの高機能製品に幅広く適用されています。

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