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プレスリリース

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欧州拠点での新規設備投資について

2006年3月15日

株式会社神戸製鋼所

当社は、オランダの溶接材料生産販売会社(連結子会社)である「KOBELCO WELDING OF EUROPE B.V社」(所在地:オランダ王国リンブルグ州へールレン市 以下「KWE」)に新規設備を導入し、2007年から軟鋼用フラックス入りワイヤ(主に造船、海洋構造物などの建造に使用される普通鋼鋼材用の溶接材料)の生産・販売を開始します。

KWEは、1995年12月からステンレス鋼用フラックス入りワイヤを生産しており、新たに生産を開始する軟鋼用フラックス入りワイヤと合わせた溶接材料の生産量は、年間7,000トン(2008年以降)となる計画で、欧州でのフラックス入りワイヤ生産拠点としては最大級となる見込みです。


<設備投資概要>
新規生産品目 軟鋼用フラックス入りワイヤ
生産量 6,000トン/年
投資金額 10.9百万ユーロ(約14.7億円)
増設設備 軟鋼用フラックス入りワイヤ製造ライン  6ライン
増築面積 6,000m2程度
スケジュール 建屋着工  2006年半ば(予定)
稼働開始  2007年年初(予定)

<設備投資概要>
フラックス入りワイヤ(※注1)は、その美麗なビード形状・外観(※注2)、各種の溶接姿勢(※注3)での作業性の良さから、造船、海洋構造物、建築、橋梁その他の各種鋼構造物の溶接に使用されており、日本国内の溶接材料需要における比率が毎年伸び続けている溶接材料です。

中でも、軟鋼用フラックス入りワイヤは、活況を呈している造船分野で多用される普通鋼鋼材用溶接材料として、特に日本・韓国での需要増加が著しい製品です。当社では、アジア地域での同製品の需要に供給が恒常的に追いつかない状況にあり、既に韓国 (KOBE WELDING OF KOREA CO., LTD)での生産能力増強(2006年度中に1,600トン/月に増強)を決めています。一方、欧州においても、今後同製品の需要増大が予想されることから、新規設備投資により供給能力の増強を図る計画です。

(語句説明)
注1 フラックス入りワイヤ
フラックス入りワイヤは、外皮金属である帯鋼(フープ)をU型に曲げ、その内部にフラックス粉末を充填し、それをさらに筒状に成型した構造となっています。直径1.2mm〜1.6mmが一般的です。
フラックスとは、脱酸材、スラグ形成剤、アーク剤、合金剤、鉄粉などで構成されている粉末状のもので、フラックスの成分や配合は、溶接金属の機械的性質や溶接作業性など、溶接ワイヤの性能を大きく左右します。
注2 ビード形状・外観
ビードとは溶接作業における溶着部にできる帯状の盛り上がりのことで、表面の形状や外観の美しさ、滑らかさが施工品質の優良さを表します。
注3 溶接姿勢
溶接を行う作業者の溶接部分に対する姿勢。下向き、横向き(水平)、立向き、上向きなどの姿勢があります。

<KOBELCO WELDING OF EUROPE B.V社の概要>
【2006年2月時点】
代表者 中村 公彦
所在地 オランダ王国リンブルグ州へ−ルレン市
設立 1994年6月 (稼働開始:1995年12月)
資本金 6.8百万ユーロ(約8.8億円)
資本構成 神戸製鋼94.6% 双日グループ5.4%
事業内容 ステンレス用フラックス入りワイヤの生産販売
生産量 1,000トン/年
従業員数 40名程度(うち日本人駐在員 3名)