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プレスリリース

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チタン生産能力の増強について

〜上工程から下工程にわたる一貫生産能力の拡充を実施〜

2007年1月24日

株式会社神戸製鋼所

当社はこのほど、弊社高砂製作所(兵庫県)にて「チタン新溶解工場の建設」及び「型打鍛造設備の改造」を、 加古川製鉄所(兵庫県)にて「チタン薄板連続焼鈍酸洗ラインの増強」を、加えてグループ企業である神鋼特殊鋼管株式会社(山口県)にて 「チタン溶接管ラインの増強」を、総額約50億円にて実施することを決定致しました。(チタン薄板連続焼鈍酸洗ライン増強については先月末に稼動済)

当社は、我が国におけるチタン製造・商業化のパイオニアとして1949年に国内で初めてチタン製造に関する研究に着手して以来、 溶解から最終製品(展伸材)迄を手がける国内唯一の総合一貫メーカーとしてあらゆる産業の発展にチタン展伸材の供給を通じて 寄与して参りました。チタン業界はここ数年活況を呈しており、2006年度も高いレベルでの展伸材の生産・出荷が見込まれます。 これは、国内メーカーのみならず世界全体にも当てはまる傾向であり、航空機需要やエネルギー関連需要の拡大に伴い堅調に推移しています。

このたびの設備投資は、次世代航空機向け航空エンジン用の合金チタン鍛造品の製造、及び中国・中東向けインフラ需要用途などの 純チタン需要の拡大に対応すべくチタン製品(展伸材)の一貫生産能力の増強を目的としています。この機会に、チタン生産に係わる 全ての拠点(高砂製作所・加古川製鉄所・神鋼特殊鋼管)の主要設備の増強・改造を実施し、2006−2008年度グループ中期経営計画の中で 掲げている「オンリーワン製品の拡販、更なる高付加価値化」を目指して参ります。

【上工程】
(1)新溶解工場建設(高砂製作所<兵庫県高砂市>)
生産能力:約30〜40%増強  
稼動開始:2008年1月

現有溶解工場の隣接地に建設することで、早期の安定生産・効率的な操業体 制を実現します。チタンスクラップの使用が 可能な当社独自の「神戸法」を 新溶解炉(VAR法:真空アーク溶解法)にも導入することで、コスト競争 力に優れた国内 ナンバーワンの溶解工場を目指します。更に、もう一段の増  強についても検討を進めております。

【下工程】  
(2)型打鍛造設備改造(高砂製作所<兵庫県高砂市>)
実施内容:コンピューター制御化、及び力量安定化  
稼動開始:2007年5月

国内最大能力を有する型打鍛造設備にて航空エンジン用チタン素材を製造しています。世界的な航空機需要拡大を背景とした国内重工各社の航空宇宙ビ ジネス強化に対応し、航空エンジン用ディスク材等の合金チタン鍛造品の高付加価値化ニーズに応えて参ります。

(3)チタン薄板連続焼鈍酸洗ライン増強(加古川製鉄所<兵庫県加古川市>)
生産能力:約30%の通板能力増強  
稼動開始:2006年12月(稼働中)

当社チタン薄板製品の品質を支える世界で唯一のチタン専用連続焼鈍酸洗ラ インの能力増強を実施済みで、先月末から順調に稼動しています。また、熱 間圧延ミル・冷間圧延ミルについては、同製鉄所内で隣接する鉄鋼生産設備 を使用していることから、連続焼鈍酸洗ラインを増強することで、チタン薄板製品の一貫した品質管理体制を維持・強化していくことが可能となります。

(4)チタン溶接管専用ライン増強(神鋼特殊鋼管<山口県下関市>)
生産能力:約30%の造管能力増強  
稼動開始:2007年5月

国内最大規模のチタン溶接管専用工場内に新ラインを増設し、中国(電力用)・中東(海水淡水化プラント用)向け等の需要増に対応して参ります。 同時に、増強工事にあわせてレイアウト改善も実施し、更なる生産性向上も実施致します。