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プレスリリース

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チタン新溶解工場の竣工について

〜上工程から下工程にわたる生産能力の拡充が完了〜

2007年12月10日

株式会社神戸製鋼所

本日、弊社高砂製作所(兵庫県)にて「チタン新溶解工場」の竣工安全祈願祭が執り行われます。新溶解工場は試運転を行った後、当初の予定通り2008年1月より本格稼働を開始します。
新溶解炉には、チタンスクラップの使用が可能な当社独自の溶解法である「神戸法(VAR法=真空アーク溶解法)」を導入しており、コスト競争力に優れた国内ナンバーワンの溶解工場を自負しています。また新溶解工場は、現有溶解工場に隣接していることから、安定生産・効率的な操業体制が確保できます。当社では拡大するチタン需要に的確に対応し、着実に事業規模拡大を目指して参ります。

<新溶解工場の特徴>
溶解法: 「神戸法(VAR法=真空アーク溶解法)」
(チタンスクラップの使用が可能な当社独自の溶解技術)
溶解能力: 約30%増
総投資額: 約35億円
稼動開始: 2008年1月

<チタン展伸材の需要>
チタン業界はここ数年活況を呈しており、2007年度も高いレベルでの展伸材の生産・出荷が続いています。これは、国内メーカーのみならず世界全体にも当てはまる傾向であり、航空機需要やエネルギー関連需要の拡大に伴い堅調に推移しています。

当社は、2006年より、次世代航空機向け航空エンジン用の合金チタン鍛造品の製造、及び電力関連を中心とする中国・中東向けインフラ需要用途などの純チタン需要の拡大に対応すべくチタン製品(展伸材)の一貫生産能力の増強を行ってきました。既に、チタン生産に係わる全ての拠点(高砂製作所・加古川製鉄所・神鋼特殊鋼管)の主要設備の増強・改造を実施済みで、この度の新溶解工場竣工により一連の能力増強投資が完了し、全体でも約30%の展伸材生産能力増強が実現します。

<神戸製鋼のチタン事業について>
当社は、我が国におけるチタン製造・商業化のパイオニアとして1949年に国内で初めてチタン製造に関する研究に着手して以来、溶解から最終製品(展伸材)迄を手がける国内唯一の総合一貫メーカーとして、チタン展伸材の供給を通じてあらゆる産業の発展に寄与してきました。

<これまで実施した一連の生産能力増強投資の概要>
【下工程】
(1)型打鍛造設備改造(高砂製作所/兵庫県高砂市)
実施内容: コンピューター制御化、及び力量安定化
稼動開始: 2007年5月
   
国内最大能力を有する型打鍛造設備にて航空エンジン用チタン素材を製造しています。世界的な航空機需要拡大を背景とした国内重工各社の航空宇宙ビジネス強化に対応し、航空エンジン用ディスク材等の合金チタン鍛造品の高付加価値化ニーズに応えて参ります。

(2)チタン薄板連続焼鈍酸洗ライン増強(加古川製鉄所/兵庫県加古川市)
生産能力: 約30%の通板能力増強
稼動開始: 2006年12月
   
当社チタン薄板製品の品質を支える世界で唯一のチタン専用連続焼鈍酸洗ラ インの能力増強を実施済みで、昨年末から順調に稼動しています。また、 熱 間圧延ミル・冷間圧延ミルについては、同製鉄所内で隣接する鉄鋼生産設備 を使用していることから、連続焼鈍酸洗ラインを増強することで、チタン薄 板製品の一貫した品質管理体制を維持・強化していくことが可能となります。

(3)チタン溶接管専用ライン増強(神鋼特殊鋼管(株)/山口県下関市)
生産能力: 約30%の造管能力増強
稼動開始: 2007年5月  

国内最大規模のチタン溶接管専用工場内に新ラインを増設し、中国(電力用)・中東(海水淡水化プラント用)向け等の需要増に対応して参ります。同時に、増強工事にあわせてレイアウト改善も実施し、更なる生産性向上も実施致します。