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プレスリリース

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スクリュ式小型蒸気発電機『スチームスター』の新機種(高出力機種)の発売について

~これ迄使われていなかった蒸気エネルギーを有効利用することで、省エネ・CO2削減に貢献~

2008年7月15日

株式会社神戸製鋼所
神鋼商事(株)

(株)神戸製鋼所(以下:神戸製鋼)は、2007年6月に、グループ会社である神鋼商事(株)(以下:神鋼商事)、神鋼造機(株)及び、蒸気のスペシャリストである(株)テイエルブイと共に、小型発電機の分野では世界最高効率を誇るスクリュ式小型蒸気発電機(出力100kW、製品呼称は『M.S.E.G.=エムエスイージー』)を開発・上市しました。発売後、同機種についてのユーザーの反響は予想以上に強く、更に出力の高い機種、あるいはより高い蒸気圧力への対応を求める声が幅広く寄せられました。これらユーザー・ニーズに応えるため、メニュー拡大を図り、このたびその第一弾として、出力を30%程度増強したバージョンアップ機種を、『スチームスター(型番:MSEG 132L=出力132kW』の名称で発売しました。 これは、メニュー拡大を機に、これら製品の総称を『M.S.E.G.』から『スチームスター』に改めたものです。



『スチームスター』は、中規模工場や各種事業所などに存在する余剰蒸気、あるいは製造プロセス(実際に蒸気を使う工程)前での蒸気の減圧エネルギーに着目し、従来から圧縮機に使われていたスクリュロータを活用して高効率の発電を行うもので、大幅な省エネ・CO2削減 (年間6,000時間稼働の前提で440トン/年程度のCO2削減 *1)が可能となります。今後は、100kW、132kWに続き、更に出力の高い160kW機種も投入する予定です。また、これらのメニューは蒸気の吸込み圧力が低圧(10気圧未満)の機種ですが、 更に、圧力の高い中圧分野(20気圧未満)にもメニューを拡大することで、2011年度には年間300台(2通りの圧力×3通りの出力=6品種全てのメニューで)の受注を目指します。なお、販売は、 神鋼商事を中心に展開していきます。

多くの工場、事業所では、発電用タービンの動力源として、あるいは、加熱・蒸留・乾燥・殺菌・洗浄などの各工程での加熱源として蒸気を利用しています。
当初、ターゲットとしていた中規模の工場、各種事業所とは、産業廃棄物・都市ごみ・バイオマスなどをボイラで焼却している会社、あるいは食品・化学・製紙・繊維・木材加工などを 加熱源としてボイラを導入している会社など幅広い業種を指します。
前者では、発生した蒸気の活用が十分に出来ていない場合があります。また後者では、現在主流となっている低圧の小型ボイラで10気圧未満の蒸気を発生させ、蒸気減圧弁で製造プロセスに見合う圧力へと減圧し、加熱源として利用していますが、これまでは、この減圧エネルギーを活用する方法がありませんでした。
この『スチームスター』は、こういった従来の製品では活用出来なかった蒸気や減圧エネルギーを有効利用しスクリュロータを回転させることで、高効率発電を可能にしたものです。
また、鉄鋼や石油精製などの大規模な工場では、発生する余剰蒸気を有効に活用していますが、大型の高圧蒸気ボイラで発生する100気圧程度の多量の蒸気を使って1,000kW以上の 大型蒸気タービンを駆動させるなど、大型の蒸気発電設備を活用する場合に限られていました。これらの大規模工場でも、蒸気配管を通して蒸気を分配、減圧している場合がある為、 今後は、中圧ライン(20気圧未満)への対応機種の開発・投入によりこれらの分野にも貢献していきたいと考えています。

近年、産業界においては、地球温暖化対策推進法や改正省エネルギー法の施行により、社会的責任としての環境経営への取り組みを強化すると同時に、一層の省エネ活動の推進に迫られています。このようなユーザーの省エネ・CO2削減に対する要求に応えるべく、今後もより一層の技術開発、メニューの拡大に取り組んで参ります。

◆『スチームスター』の特長
  (1)スクリュ方式を活かして、極めて高い発電効率を得られること。
  (2)従来、有効に活用されていなかった蒸気エネルギーを活用することで、二酸化炭素の削減に寄与できること。(132kWで年間440トン程度のCO2削減が可能)
  (3)蒸気量が変動しても、インバータ制御により、安定した発電が出来ること。
  (4)通常の減圧弁機能に加え、スクリュの回転数により、蒸気流量の変化に対しての即時対応が可能となったこと。
  (5)発電装置として必要な機械、電気、制御システムをオールインワンパッケージとしていること。

*1 CO2削減量の計算根拠
余剰蒸気の活用により発生させる電気量を、日本の火力発電設備で発電した場合に消費されるCO2量と比較試算したもの。
(1)6,000時間/年× 132kW/時 = 792,000kW/年
(2)792,000kW × 0.555 = 439,560kg≒ 440トン
注)0.555とは環境省の地球温暖化対策の推進に関する法律施工令第三条に規定されている発電端CO2発生原単位(kg-CO2/kWh)の0.555を採用。