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プレスリリース

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2009年 年頭の辞 (要旨)

2009年1月5日

株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長 犬伏泰夫

(1)現中期経営計画の総括
「安定と成長」を合言葉とした中期経営計画のゴールを迎えようとしているが、振り返ると「よく頑張ったが、至らぬ点もある」と云える。当初の2年間は業績目標を達成したが、2008年度は鉄鋼原料価格の更なる高騰をはじめとするコストアップや、会計制度の変更による利益の目減りに見舞われた。年度半ばからは、需要の大幅な減退にも直面している。一方で「生産基盤の強化」そして「オンリーワン製品の拡販と創出」については、一定の収穫を得たと評価している。鉄鋼部門での高炉改修をはじめ、各所で設備投資や開発投資、或いは海外拠点の拡充を進め、成長への布石を打つことが出来た。
(2)足元の経済状況及び今後の基本方針
金融危機が瞬く間に世界を覆い、実体経済に深刻なダメージを与えている。景気の底は見えず、回復までに相当の期間を要すると思われる。心して掛からなければならぬ年になる。喫緊になすべきは、備えを固め、2009年度を乗り切ること。年度予算の策定とその完遂に全力を尽くす。そして、ステークホルダーの皆様の期待に応えるべく、また自らのためにも、態勢を整え、出来得る限りの収益を確保する。
また、次期中期経営計画は、情勢の変化を見据えた上で、然るべき時期に纏める。但し、基本路線に変わりはない。当社グループならではの製品・技術・サービスを社会に届けながら、競争力に磨きをかけ、持続的な成長を果敢に目指す。当面の具体的対策は以下の通り。
1.「ものづくり力」の強化
「ものづくり」はメーカーとしての競争力の原点であり、安定生産・品質向上・コスト競争力の強化などを、徹底的に追求する。設備や技術を「我が物」として使いこなす鍛錬にも力を注いで欲しい。技術開発部門や営業部門も含め、全員が「ものづくり」において重要な役割を担っていることを、今一度、頭と身体に叩き込んでもらいたい。
2.収益改善
急激な環境変化への対応に奇手奇策はなく、地道な活動に尽きる。2009年度予算編成方針には「キャッシュフローの創出と収益改善」を最重要項目として掲げた。コストダウンや、販売価格の可能な限りの維持・改善、オンリーワン製品の拡充と云った従来の活動に加え、設備投資・投融資計画の見直し、棚卸資産の圧縮など、メリハリの効いた施策を、グループ横断組織「収益改善委員会」を中核として、早急かつ強力に推進していく。
3.「グループの和」の尊重
当社グループの特色の一つは、様々な事業を営んでいることにある。個性に溢れる人材と技術を保有する各々の部門が柔軟に交わり、あたかも一つの有機体のようになれば、比類のないアドバンテージが生まれる筈である。組織と人の隙間を埋めるため、緊密なコミュニケーションを実践してもらいたい。情報と価値観を分かち合い、互いを高めていくよう願っている。手を携え前を向き、着実に歩んでいこう。