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プレスリリース

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クローラクレーン事業のインド進出について

~日本のクローラクレーンメーカーとしては、初のインドでの現地生産~

2010年7月20日

株式会社神戸製鋼所
コベルコクレーン株式会社

株式会社神戸製鋼所(以下 神戸製鋼)のグループ会社(100%出資)であるコベルコクレーン株式会社(本社:東京都品川区、 社長:藍田 勲、 以下 コベルコクレーン)は、今後の成長が期待できるインド市場への取り組みを強化するため、現地にクローラクレーンの生産工場を建設することを決定しました。総投資額は約12億円で、2011年10月の生産開始を目指します。
コベルコクレーンは、クレーンの主力機種であるクローラクレーンの分野では、国内で約50%のシェアを持つトップメーカーであり、世界でもトップクラスの約17%のシェアを有しています。インドの新工場は同社にとって初めての海外生産拠点であり、また、日米欧の移動式クレーンメーカーとしても初めて、インドに独資でクローラクレーンの専用工場を所有することになります。

新工場を建設する、インド南東部チェンナイ市内から北へ75kmに位置する「SRI CITY(スリシティ)工業団地」では、同じ神戸製鋼グループのコベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、社長:小谷 重遠、以下 コベルコ建機)が、2011年1月の操業開始に向けて油圧ショベルの生産工場建設に着手しており、隣接地に建設する新工場との間で、物流面や情報の共有化により、グループでの経営の効率化が期待できます。

世界のクローラクレーン市場は、2008年秋の金融危機を契機に、一時的に需要が低迷しましたが、足元で底を打ち、再び拡大に転じつつあります。また、従来、総需要の約4割を占めていた日米欧市場の割合が2割程度まで低下し、代わって、インド、中国を中心とした新興国の需要が急拡大しています。その中で、インドのクローラクレーン市場は、2009年の総需要200台程度から、旺盛なインフラ投資を背景に、5年後には700台規模に急成長することが予想されます。今後、更なる需要拡大が期待されるインド市場において、得意とする100トンを超えるクローラクレーンを中心に、現地生産によるメリットを最大限に生かしながらユーザニーズを的確に把握し、迅速に対応することで、一層の需要取込みとプレゼンス確立を図っていきます。

神戸製鋼グループは、本年4月に策定した『中長期経営ビジョン(KOBELCO VISION “G")』の中で、積極的なグローバル展開により、売上高に占める海外比率を、2009年度の約33%から50%程度に高めることで、収益拡大を図っていくとの方針を掲げています。特に中国やインドなど巨大市場でのプレゼンスの確立は、喫緊の課題であると考えています。今回のクレーン事業に関する海外進出もその一環として、5~10年後の収益の柱の一つになることが期待できます。神戸製鋼グループのクレーン事業は、1953年の事業開始(当時は神戸製鋼本体の事業)以来、一貫して国内で集中生産することで、品質・技術を磨いてきましたが、グローバル市場で飛躍的な成長を図るため、為替リスクや関税障壁などの課題を乗り越え、今回、現地生産に踏み切ることにしたものです。

『コベルコクレーン インディア』の概要

【 社名 】 :コベルコクレーン インディア プライベート リミテッド
 〔英文名〕 KOBELCO CRANES INDIA PVT. LTD.
【本社所在地】 :インド デリー市郊外
【資本金】 :6億ルピー(12億円;約2円/ルピー)
【 株主構成 】 :コベルコクレーン99%、コベルコクレーントレーディング(株)1%
【 事業内容 】 :建設機械の製造、販売、サービス
【 工場 】 :所在地:アンドラ・プラデッシュ州 SRI CITY工業団地(チェンナイから北へ75km)
敷地面積:約40,000m2 建屋面積:約6,900m2
生産所掌:組立、製缶、塗装、出荷
【 操業開始 】 :2011年10月
【 役員構成 】 :コベルコクレーン 3名
【 従業員数 】 :約70名(2011年末)

『コベルコクレーン インディア』設立の手順

まずは、コベルコクレーングループ100%出資の販売サービス会社 『コベルコクレーン インディア(KOBELCO CRANES INDIA PVT. LTD)』(本社:ニューデリー、以下 KCI)を、2010年8月に設立し、同年9月に営業を開始します。クローラクレーンの新工場の建設にあたっては、この新会社『KCI』を、2011年の設備投資完了のタイミングで製販一体の会社に改組します。

クローラクレーン (250トンクラス)

クローラクレーンによる施工例