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プレスリリース

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加古川製鉄所「高効率発電設備」の増設について

2011年11月14日

株式会社神戸製鋼所

当社加古川製鉄所は、同所2基目となるガスタービン・コンバインドサイクル・システム(*1、以下GTCC)を導入します。追加設備投資額は約150億円(*2)で、2013年上期着工⇒2014年12月に稼動開始予定です。

同所では現在、2014年12月の完工を目指して自家発電所ボイラの全面的な更新工事(投資金額約700億円)に取り組み中です(*3)。当初計画では、5缶のガス焚きボイラを順次解体撤去し、3缶のボイラとGTCC1基に置き換えることで、発電効率向上によるコストダウンと年間▲13万トンのCO2削減効果を見込んでいました。

GTCCは、省エネ・CO2削減やコストダウン効果が大きい高効率発電設備ですが、当初計画では、その燃料としてベースとなる高炉ガスに、補助的にコークス炉ガスやLPGを添加した一定以上の発熱量を有する燃料が必要となることから、製鉄所全体のエネルギーバランスを勘案し、1基のみの導入を予定していました。

その後、GTCC燃焼器の性能改善や燃焼制御・監視技術の向上などにより、発熱量が低い燃料でもGTCCを安定的に稼動出来ることを確認しました。今回、新たなGTCC燃焼器の開発を行い、最新の技術を適用することで低発熱量である高炉ガス専燃でのGTCC安定稼動を実現し、コストダウンを目指すものです。

今回の2基目のGTCC導入により、更なるコストダウンと同時にCO2削減効果についても(既設の石炭焚きボイラの廃却も含め)、当初の▲13万トン/年⇒▲41万トン/年に拡大することを見込んでいます。

尚、本投資においては、国の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」(補助金)を利用しています。

ご参考

(*1)ガスタービン・コンバインドサイクル・システム(GTCC)とは

一般的なボイラ・タービンによる発電設備は、燃料をボイラで燃焼し蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回して発電します。一方、GTCCは圧縮した燃料ガスと空気を燃焼させて直接ガスタービンを回して発電すると同時に、ガスタービンより排出された燃焼排ガスを利用することで排熱ボイラでも蒸気を発生させ発電する、高効率・省エネ型の発電設備です。これにより、当社既設のボイラ・タービン発電設備と比べて、発電効率が相対的に約30%向上します。

(*2)追加設備投資額

ボイラ1缶を2基目のGTCCに変更することによる追加投資額

(*3)加古川製鉄所自家発電所ボイラ更新計画

  全面更新前 当初計画 今回計画
ガス焚き 5缶 3缶 2缶
石炭焚き 1缶 1缶
GTCC 1基 2基
CO2削減効果 ▲13万トン/年 ▲41万トン/年
投資金額 約700億円 約850億円