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プレスリリース

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チタン)成形瓦用新製品の開発・販売

~防眩性・耐候性に優れた高機能チタン薄板製品を商品化~

2013年4月23日

株式会社神戸製鋼所

当社は、このほど、寺社・仏閣用として適用拡大が期待されるチタン製成形瓦向けに、特殊表面処理が施されたチタン板を開発しました。この新製品は、建築物の耐震性向上に寄与するだけではなく、耐候性・意匠性にも配慮した製品であり、純チタン薄板にて世界で初めて当社が商品化に成功致しました。
また、この開発材料が本願寺鹿児島別院(鹿児島市)の屋根に採用され、成形瓦素材として屋根施工の国内トップメーカーである元旦ビューティ工業株式会社(神奈川県藤沢市)に材料を供給致しました。

当社は、我が国におけるチタン製造・商業化のパイオニアとして1949年に国内で初めてチタン製造に関する研究に着手して以来、溶解から最終製品(展伸材)迄を手掛けるチタン総合一貫メーカーです。航空機やロケット部品向けの合金チタンから、ゴルフクラブや今回の屋根瓦といった民生用途向けの純チタンまで幅広い分野を手掛けており、今後もあらゆる産業分野の発展に寄与して参ります。

特殊表面処理チタン板

チタン薄板の表面に酸化被膜を生成させることにより、瓦らしい落ち着いた色調と変色が抑えられた優れた耐候性が得られると共に、瓦への成形においては高いプレス成形性と生産性が得られる新製品です。従来の瓦に代えてこの特殊表面処理チタン板を使用することで、瓦形状にマッチした意匠性を維持しながら屋根の軽量化が可能となり、建築物全体の耐震性の向上に寄与します。この特殊表面処理は一般的な建材用チタン薄板と同様に量産が可能で、大型の建築物件への対応にも適しています。また、酸化皮膜により得られる優れた潤滑性を生かして高いプレス成形性が得られるため、瓦への成形加工での生産性の向上が期待されます。

この特殊表面処理では、酸化皮膜が適切に調整されることで、従来のチタン建材に比べて、表面の光沢度が約1/5(当社比)に抑えられ落ち着いた色調となると共に、酸化皮膜の安定した耐食性により、酸性雨を想定した厳しい環境でも色調が一定量変化するのに要する年月が2倍以上(当社比)になるとの試験結果が得られています。

物件概要

物件名:
浄土真宗本願寺派本願寺鹿児島別院
所在地:
鹿児島市東千石町
施主:
浄土真宗本願寺派本願寺鹿児島別院
設計:
株式会社 東条設計(鹿児島市)
ゼネコン:
清水建設株式会社
屋根施工:
元旦ビューティ工業株式会社
施工面積:
2,947m²
チタン使用量:
15トン
  • 尚、本物件は大規模改修工事と同時に耐震工事を行っており、チタン製瓦に変更することで屋根全体の重さを大幅に軽減することができました。通常、粘土製の本瓦に比べチタン製瓦にすると屋根自体の重量を約14分の1までに軽減することが可能となります。
  • また、外観はいぶし本瓦の風合いを持ち、素材の色調も3種類を作り分け、日本瓦に匹敵する意匠を実現しております。               

チタン瓦を使用した屋根

チタン瓦を使用した屋根