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中国における自動車用冷延ハイテン製造合弁会社に関する合弁契約締結について

2013年10月17日

株式会社神戸製鋼所

(株)神戸製鋼所(以下、「神戸製鋼」)及び鞍山鋼鉄集団公司の有力子会社である鞍鋼股份有限公司*1 (以下、「鞍鋼」)は、中国での自動車用冷延ハイテン(AHSS*2)の製造・販売を目的とする合弁会社設立に関して、共同検討を進めて参りました。この程、両社は最終合意に達し、本日、遼寧省鞍山市にて合弁契約書を締結致しました。新会社は、鞍鋼の鞍山製鉄所内に、約17.5億元(約289億円)を投じて生産能力60万トン/年の連続焼鈍設備(CAL*3)を建設する予定です。今後、合弁会社の設立手続きに着手し、2016年初頭の稼動を目指して参ります。

合弁会社の概要

会社名:
鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司
(英文名:KOBELCO ANGANG AUTO STEEL CO., LTD.)
代表者:
未定
所在地:
中国遼寧省鞍山市(鞍鋼の鞍山製鉄所内)
生産設備:
連続焼鈍設備(CAL)
主要製品:
自動車用冷延ハイテン(引張強度590 MPa以上)
生産規模:
年産60万トン
総投資額:
17億5千万元(約289億円)
資本金額:
7億元(約116億円)
出資比率:
神戸製鋼49%(神鋼投資有限公司経由を予定)、鞍鋼51%
稼動予定:
2016年初頭
従業員数:
100名程度(フル稼働時)
原板供給:
鞍鋼股份有限公司

中国は世界最大の自動車市場であり、その生産台数は今後10年間で5割程度増加すると見込まれております。また、政府主導で安全・環境対応への取組も強化されています。そのため、鋼板の剛性を高めて安全性を維持しながら、車体を軽量化して燃費の向上を図るという目的から、ハイテン需要は今後益々拡大していくものと想定されます。
このようなニーズに対応して、新会社は、神戸製鋼の自動車用冷延ハイテンに関する世界トップレベルの技術と鞍鋼の中国での強固な事業基盤を融合させ、中国での自動車用冷延ハイテン需要を捕捉し、ハイテン供給を通じて中国の経済発展にも貢献して参ります。

神戸製鋼は、鉄鋼分野において、北米では、USスチールとの合弁拠点であるプロテック・コーティングにて既存の溶融亜鉛めっき(CGL)2ラインに加え、CALが2013年5月に稼動を開始致しました。欧州においては、フェストアルピーネグループと自動車用鋼板の技術提携を行っています。今回中国での自動車用冷延ハイテンの生産拠点を有することで、日・米・欧・中での「薄板ハイテンのグローバル展開」を進めることが可能となります。

神戸製鋼は、グループ中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION “G”」で、「オンリーワン技術・製品でグローバルに成長市場を取り込むこと」を、基本方針としています。自動車用冷延ハイテンは、神戸製鋼の得意分野でユーザーから高い評価を得ており、今回の新会社の設立は、正にこの方針に沿ったものであります。合わせて、自動車メーカーが要望するグローバル供給体制構築への対応という観点からも、ハイテン供給力のプレゼンス向上に繋がる、と考えています。

(ご参考)

株式会社神戸製鋼所の概要

本社所在地:
兵庫県神戸市
社長:
川崎博也
創立:
1905年
従業員数:
36,018人(2013年3月末時点 連結ベース)
売上高:
約1兆6,855億円(2012年度 連結ベース)
粗鋼生産量:
約701万トン(2012年度)
製鉄所:
加古川製鉄所、神戸製鉄所
主要事業:
鉄鋼、溶接、アルミ銅、機械、エンジニアリング、建設機械等

鞍鋼股份有限公司の概要

本社所在地:
中国遼寧省鞍山市
董事長:
張暁剛
創立:
1997年
従業員数:
28,044人(2012年末時点)
売上高:
約777億元(約1兆2,820億円 2012年)
粗鋼生産量:
約1,963万トン
製鉄所:
鞍山地区、営口地区他
主要事業:
鉱山、鉄鋼、機械、建築、運輸、エンジニアリング設計等

(語句説明)

(*1)鞍鋼股份有限公司
「鞍鋼股份有限公司」は、鞍山鋼鉄集団公司の連結子会社。

(*2)自動車用冷延ハイテン
 「冷延ハイテン」とは、引張強度≧340MPaの冷延鋼板の総称。特に先進的で加工性に優れた引張強度≧590MPaのものをAHSS(Advanced High Strength Steel)と呼んでいる。

(*3)連続焼鈍設備(CAL:Continuous Annealing Line)
冷間圧延後の鋼板を連続的に焼鈍することで、優れた加工性を付与した冷延鋼板を造り込む設備。