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プレスリリース

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2014年 年頭の辞(要旨)

2014年1月6日

株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長 川崎博也

1. 2013年を振り返って

今年度、当社グループは、金融市場やステークホルダーの信任を回復し、「まずは生き残る」ために、連結経常損益の黒字化が必須という状況からスタートした。現政権の各種政策により日本経済の復調が実体となりつつあり、海外・国内ともに当社グループを取り巻く事業環境が改善する中、グループ一丸となって取り組んだ結果、今年度の連結経常利益は上期実績で431億円、通年でも700億円と当初計画を大きく上回る見通しとなっている。従業員の頑張りに感謝の意を表すと共に、残り3ヶ月間気を緩めることなく、更なる収益の積み上げに全員が意識を高く持ち、引き続き日々の業務を遂行することを改めて要請する。

2. 2014年はどうあるべきか

本年4月より「KOBELCO VISION “G”」第二期間(2013~15年度)の中間年が始まる。厳しいグローバル競合環境でも「生き残り」更には「勝ち残る」との確信を得るには、少なくとも二年連続で相応の利益を上げる必要がある。体質強化委員会の諸施策、従来から取り組んでいるコストダウン活動の継続、将来の成長へ向けた設備投資案件の成果の着実な取り込みに万全を尽くして頂きたい。これらを徹底し、今中期経営計画最終年度(2015年度)の目標である経常利益800億円~1000億円を間違いなく達成しよう。特にコア事業として収益力回復のために決断した鋼材事業の構造改革については、掲げた方針に沿って粛々と詳細計画を策定し、実行に移していく必要がある。
また、成長分野・地域に向けた取り組みとして、昨年は北米・中国の自動車産業をターゲットとした戦略を推進した。北米PRO-TECにおけるCAL(連続焼鈍ライン)竣工や中国でのKAAP-CHINAの鍛造ライン能力増強が稼動を開始、また新たな製造拠点として、鞍山鋼鉄とのハイテンJV、当社単独での自動車パネル用アルミ板材の製造拠点設立を意思決定した。中国を含む先進国が国策として方針を固めている自動車燃費規制強化に対応するため、車体軽量化ニーズに対して当社は独自の技術力で競合他社との差別化ができる。開発・販売・生産技術、全ての面において感度を上げ、組織に横串を通した拡販・開発活動についても、更なる連携強化に努めて頂きたい。
北米のシェールガス革命も、当社グループにとって大きなビジネスチャンスである。シェールガスの掘削、輸送、貯蔵、精製、利用のためには、鋼材、溶接材料、圧縮機、樹脂機械、熱交換器、建設機械、環境対策などが必要となり、各々の分野で独自製品を有する当社グループにとって商機は多岐に渡るので、グループ内の連携を強化し成果を上げて頂きたい。

3. 「更なる成長」へ向けて

当社は、生き残り、そして勝ち残った上で安定収益基盤を固め「更なる成長」も実現していかなければならない。そのためには、将来の安定収益源となる電力事業の拡大が不可欠であり、建設・操業ノウハウを最大限に活かして具現化していく。
また、次世代自動車として注目が集まっているFCV(燃料電池車)に必要となる水素ステーションの分野でも参入を目指しており、グループ総合力を発揮し今中期経営計画で掲げた『機械系事業の戦略的拡大』にも寄与する収益源になるよう強力に推進していく。

4. 「ものづくり力」の強化

「KOBELCO VISION “G”」の第二期間は、グローバル競争を勝ち残っていくために、第一期間で構築した基礎の上に土台を築いていく期間である。当社グループが、独自の製品・技術を活かして事業を推進する事業体である以上、ものづくり力の強化を恒久的な課題として認識し、全員が常に改善を意識して行動することを心掛けてほしい。

5. 結びに

私は昨年、国内外の事業所を訪問し、皆さんとの直接対話も出来る限り実施してきた。今年も随時事業所に赴き、皆さんの生の声を聞き、「職場での問題・課題に対して、執念・情熱を持って全力で取り組み、解決して欲しい」という私の思いも伝えていきたい。
また、事業所を訪問した際にも必ず伝えているが、当社グループが安定的に収益をあげ、将来に亘って成長するには、「安全・防災」「環境への配慮」「コンプライアンス」の観点が不可欠である。常にこれを意識し、どうあるべきかを考えた上で行動を起こしてほしい。
今年度 残りの3ヶ月、更には今中期経営計画の達成に向けて極めて重要となる2014年度、従業員の皆さんとともに、私も全力で取り組んでいく。