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プレスリリース

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ルクセンブルグPAUL WURTH社とのライセンス契約締結について

2014年3月10日

株式会社神戸製鋼所

株式会社 神戸製鋼所(所在地:神戸市中央区、社長 川崎博也、以下、神戸製鋼)とルクセンブルグのエンジニアリング会社Paul Wurth S.A.(所在地:ルクセンブルグ市、CEO マーク・ソルヴィ、以下、PW)は、神戸製鋼が保有するMIDREX®直接還元製鉄法(MIDREX法)に関し、建設ライセンス契約を2月19日に締結・調印致しました。PW社は本契約の下、MIDREX法の建設ライセンシーとして、同法を活用した直接還元鉄プラントの設計、建設及びマーケティングを実施する事が可能となります。調印は、神戸製鋼東京本社にて、エンジニアリング事業部門新鉄源本部の担当である眞部常務とPW社のソルヴィCEOとで行われました。今後は両社で世界の還元鉄マーケットにおけるプラント受注に繋げて参ります。

現在、シェール革命による米国での天然ガス価格の下落や、世界的な還元鉄需要の高まりを受け、MIDREX法は多くの引き合いを受けています。また従来型の天然ガスベースMIDREX法に加え、石炭由来の還元ガスや既存製鉄所内のコークス炉ガスを還元ガスとして活用できるMXCOL®プロセスを開発・上市しています。これにより、これまで天然ガス資源を有さないために還元鉄生産には不向きとされた地域においても良質な還元鉄生産が可能となり、高い注目を集めています。世界の直接還元鉄生産量はシェールガスの開発や地球温暖化対策強化を背景に、足元の74百万トンから将来的にも増加することが想定されています。既にMIDREX法の建設ライセンシーであるSiemens VAI Metals Technologies GmbH社(所在地:オーストリア)に、今回新たに世界有数の製鉄プラントメーカーSMSグループのPW社を加える事により、今後の還元鉄マーケットの需要に応えていく為の基盤がより一層強固なものとなりました。MIDREX法は現在世界シェアの約60%(天然ガスを利用した還元鉄生産においては世界シェア80%)を占めており、今後も伸張が予想される還元鉄生産において、より一層の貢献を果たしていきたいと考えております。

(ご参考)

MIDREX法とは

天然ガスもしくは石炭由来の還元ガスを使用して還元鉄を製造する直接還元製鉄法のひとつ。鉄源は粉鉱石を加工したペレットを使用し、シャフト炉によって直接還元鉄を製造する。天然ガスを使用することによって、高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を抑制することが出来る。

還元鉄とは

鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、高炉や転炉、電炉での鉄源として使用される。

Paul Wurth S.A.社の概要

設立:
1870年
所在地:
ルクセンブルグ市
代表者:
CEO Marc Solvi(マーク・ソルヴィ)
従業員:
約1,500人(13年12月末)
売上高:
454百万ユーロ(12年度)

Midrex Technologies,Inc.社の概要

設立:
1983年(買収)
所在地:
米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
資本金:
11百万米ドル(12年度)
代表者:
James D. McClaskey(ジェームス・マクラスキー)
従業員:
約230人(13年12月末)

天然ガスもしくは石炭由来の還元ガスを還元剤とした直接還元製鉄プロセスを有し、中近東を中心に世界で70基を納入しており、世界の還元鉄生産量の約60%を占める(天然ガスを利用した還元鉄生産においては世界シェア80%を占める)。

調印式の模様

調印式の模様