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プレスリリース

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2015年 年頭の辞(要旨)

2015年1月5日

株式会社神戸製鋼所
代表取締役社長 川崎博也

1.はじめに

安全こそがすべてのはじまり

あけましておめでとうございます。昨年を振り返るにあたり、まず申し上げなければならない事があります。昨年5月、神戸製鉄所の重大災害で一人の従業員の尊い命が失われました。我々は、この事実を決して忘れてはなりません。また、その後も休業災害が発生しておりますが、現場に潜む「危険」を全員が再認識し、再発防止策の徹底、同じ過ちを二度と繰り返さないという強い気持ちを持って日々の業務にあたって下さい。

また、広島の土石流災害等により浸水等の被害が及んだ従業員の方々に対し、心よりお見舞いの言葉を贈りたいと思います。今年は、阪神・淡路大震災から20年目を迎えます。改めて哀悼の意を表すると共に、今後も地元を代表する企業として、災害発生時の備えを万全なものとすべく取り組みを継続していきます。

2.昨年を振り返って

目標達成は目の前に、だが現状に気を緩めることなく

当社グループの2つの重要課題について。まず、安定収益の確保については、経常赤字から脱却した2013度に続き、2014年度も今中期経営計画の目標の範囲内である連結経常利益850億円を計上できる見通しです。「生き残り」「勝ち残る」確信を得るためには、少なくとも2年連続で相応の利益を上げなければならないと昨年申し上げましたが、グループ一丸で取組んだ結果、目標に手の先が届く所まで到達しています。しかしながら、取巻く事業環境は楽観視できず、残り3ヶ月も気を緩めず収益を上積みし、安定収益体質を確固たるものとしましょう。

次に、財務体質の改善については、棚卸資産の削減、資産の売却等によるキャッシュの創出や投資の厳選、体質強化委員会の取り組みにより、目標であるD/Eレシオ1.0倍以下を実現できる見込みです。尚、昨年2月に公募増資を実施した事により、グローバル展開の加速に向けた大型戦略投資の資金を確保できましたが、同時に新たなステークホルダーに対し責任を負う立場に立った事を忘れてはなりません。

3.2015年度はどうあるべきか

「生き残り」の危機感を忘れずに、成長を目指して

2015年度は「KOBELCO VISION“G”」第二期間の最終年です。今中期経営計画では、まず、経営基盤を再構築し、その上で安定と成長のための布石である事業ポートフォリオの最適化を目指しています。今年は、今中期経営計画を完遂し「KOBELCO VISION“G”」の総仕上げとして次期中期経営計画を策定します。

事業ポートフォリオの最適化に向けては、まず、素材系事業においては鋼材事業の上工程集約を予定通り実行していきます。また、自動車軽量化ニーズを追い風として、事業を育成していきます。来年稼動する鞍山鋼鉄とのハイテンJV、天津でのアルミパネル材工場を計画通り立ち上げるのは当然の事、マルチマテリアルによる部品レベルでの提案力も鉄鋼・アルミ・溶接の各事業部門と技術開発本部の技術を結集し、強化していきます。

次に、機械系事業ですが、輸出・海外比率が高い機械系事業にとって足元の円安は追い風であり、勝機を逃さず収益として取り込み、まずは外部環境の変化に耐えうる事業体を目指していきます。更に、事業規模の拡大、安定収益確保のためには建設機械、圧縮機事業を柱としたグローバル展開が不可欠です。また、水素ステーション向けの機器・設備についても横断的な組織の取り組みにより拡販していきます。

電力供給事業では、昨年、東京ガス殿と契約を締結した真岡のガス火力発電事業と関西電力殿の火力電源募集に応札した神戸の石炭火力発電事業の2つのプロジェクトが歩を進めました。電力供給による社会貢献と将来の安定収益確保に向け着実に遂行していきます。

今年は次期中期経営計画を策定する年であり、当社グループの総合力が問われます。全員が行って動かす、行けば動く、即ち「行動」することを常に意識し、徹底して下さい。

4.結びに

当社グループの安定と成長には、「安全」「安定生産」「環境・防災」「コンプライアンス」が必要不可欠です。グループの全員が常に感度を高く持ち、問題を起こさないためにはどうするべきかを考え、行動に移す事が求められます。問題を、まずは「起こさない」、発生したら「早く見つけて」「早く消す」即ち、解消する事を肝に銘じ続けて下さい。

今年も時間の許す限り国内外の各拠点を訪問し現地の生の声を聴き、私の考えも伝えて行きたいと思います。

結びに、今年1年も従業員の皆さんとそのご家族が、ともに幸せで喜びの多い年となる事を祈念しております。