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プレスリリース

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「第56回 田宮賞」の表彰について

2015年4月15日

株式会社神戸製鋼所

当社は、下記の案件を「第56回 田宮賞」の各賞受賞案件に選定し、4月8日(水)に表彰式を執り行いました。
「田宮賞」は、当社の第5代社長 田宮嘉右衛門(注1)の遺徳と事蹟を永く記念するため、当社およびグループ会員各社の中から会社の業績や社会的に大きく貢献したものについて、1960年以来表彰してきており、今年で56回目を迎えました。
今年は、当社およびグループ会員各社から7件(昨年は7件)の推薦があり、これらの候補案件について審査委員会での審査結果を3月2日開催の理事会(理事長 川崎博也社長)で審議の結果、それぞれ下記の賞に決定致しました。
当社は、田宮賞の表彰などを通じ、今後ともグループ一丸となって事業基盤の強化、社会への貢献を果たしていく所存です。

1. 金賞:
(株)神戸製鋼所 溶接事業部門
「建築鉄骨用アーク溶接ロボットシステムの開発と拡販」
建築向け等の厚中板に対する主要な溶接法である炭酸ガスアーク溶接で、大電流でもスパッタとヒュームを大幅に低減できる画期的な新溶接プロセス「REGARC法」とそれを搭載した鉄骨溶接システムを開発し、顧客での施工生産性と溶接品質大幅向上の両立を実現した。これまで地道に培ってきた顧客との信頼関係の下、顧客層に応じた営業活動の展開、規格制定や委員会活動等の業界への積極的な関与等により、東日本大震災後の建設需要の急増時に独占的なシェアを確保して溶接システム事業のV字回復に貢献した。
2-1. 銀賞:
(株)神戸製鋼所 鉄鋼事業部門
「高効率発電設備導入による省エネと環境負荷低減への貢献」
加古川製鉄所で発生する副生ガスを主燃料とする発電用ボイラーの更新にあたり、発電効率の最大化と環境負荷の低減を目指した。特にGTCC(ガスタービンコンバインドサイクル発電)にて、従来は不可能であった低カロリーの高炉ガス単独での燃焼技術を発電設備メーカーと共同で開発し、副生ガス発生量や電力使用量の変化に対応可能なGTCC2基の導入を実現した。
また、狭い発電所エリアでかつ発電操業を継続しながらの工事といった難題をクリアし、エネルギーコストと環境負荷の大幅低減を達成した。
2-2. 銀賞:
(株)神鋼環境ソリューション
「超純水等の水供給事業の確立」
‘70年代から電子業界向けの水処理設備建設に携わり、'02年に電子部品の大量生産工場で工場排水をリサイクルして超純水を供給するプラントを検討した。結果、排水処理では有機系排水処理における臭気や発泡に対する新たな技術を確立した。又、セントラル方式のオゾン水供給技術も確立した。設備建設と操業を受託し、顧客が使用した超純水分の対価と分割払いの設備費を受け取る水供給事業を'03年から開始した。以降安定した業績を上げており、新規の設備受注も獲得した。
2-3. 銀賞:
コベルコ建機(株)
「環境リサイクル建機ビジネスの拡充~差別化商品への挑戦!~」
油圧ショベルに集中した事業を展開しており、各種産業分野に応用した環境リサイクル建機の事業展開を進めた。既存の建物解体分野と金属リサイクル分野では、豊富な品揃えと高い品質に加えて搬送性や分解組立性を劇的に改善する超ロングアタッチメントの開発等で高シェアを安定的に維持。また、新たに産廃処理分野と林業分野へも本格的に参入した。この結果、環境4分野での収益は、国内油圧ショベルの新車売り上げの40%を占めるに至った。
3-1. 銅賞:
シンフォニアテクノロジー(株)
「アミューズメント市場【プリントシール(プリクラ)、カードゲーム】への昇華プリンタの展開」
写真需要の低迷で売上、利益共に大きく落ち込んでいた昇華プリンタ事業において、アミューズメント市場に狙いを定めて開発と販売を強化した。プリクラにおいては、高解像度化のみならず、顧客が求める色や質感の設定機能を開発。カードゲームにおいて直接カードに印刷する方式を開発し、従来のロール紙では実現できないカードの厚みや角の丸みを実現した。この結果、プリクラではトップシェアを奪取し、カードゲームでは競合との差別化に成功して新規顧客からの受注を獲得した。
3-2. 銅賞:
神鋼特殊鋼管(株)
「ステンレス継目無鋼管収益基盤確立活動」
‘96年の分社化以来、収益性の低い時期が続いていたが、主力製品のステンレス継目無鋼管の市場は今後も成長が続くことが期待できることから、'12年から収益基盤の確立活動を行なった。具体的には、ネック工程の2000トンプレスの稼働率向上、冷間加工工程における生産性の向上、強みとしている短納期を武器とした受注活動などを展開。その結果、国内生産シェアを26%に向上させ、世界シェアも4%に近づき、一流メーカーとしてのポジショニングを確立できた。
3-3. 銅賞:
神鋼造機(株)
「自動車部品向鍛造プレス機用高効率型減速機の開発」
従来から小型プレス機用の減速機を手がけていたが、自動車部品用途の大型の湿式鍛造プレス機の需要が高まっていた。本プレス機の代表メーカーである栗本鐵工所と湿式クラッチ&ブレーキ一体型高効率減速機を共同で開発し、最重要課題のディスク空転時損失馬力低減を独自技術のウェーブスプリングを活用して達成し、プレス機の高効率化を実現した。同時に省スペース化や低騒音化などの技術も開発し、栗本鐵工所のデモ機及びトヨタ自動車の鍛造部品製造ラインに採用された。

注1)田宮嘉右衛門(明治8年生~昭和34年没)について
神戸製鋼の生みの親にあたる合名会社鈴木商店に入社し、同社が1905年に小林製鋼所を買収し「神戸製鋼所」に改めた際に、支配人に就任した。その後、1911年に(株)神戸製鋼所が発足した時、常務取締役に就任し、1934年から1945年まで第五代目の社長を務めた当社育ての親である。